ピノッキオ真物語


嘘をつくんじゃない、ピノッキオ。嘘をつけばつくほど、お前の股間は大きくなってしまうぞっ!!











そもそも原作の『ピノッキオの大冒険』(Le Avventure di Pinocchio)は、イタリアのカルロ・コッローディ(1826〜90)が書いた子供向けの物語だった。日本に紹介されたのは忘れもしない1920年代。ストーリーが定着したのは1940年のディ○ニーアニメ『ピノキオ』(ベン・シャープスティーン他監督)によってだった。











当時の物語を簡単にまとめると、
①ツエッペリ爺が自慰ついでにピノッキオを製作。
ピノッキオが動き出す。
ピノッキオは人間になりたい。魔女と誓約と制約を結ぶ:(あ)良いことをすればするほど人間に近づく、(い)悪いことをすれば人間から遠のく。象徴的なイベントが嘘をつき鼻が伸びる例のシーン
ピノッキオは良いことをする善の奴隷と化す。
⑤ツエッペリが鯨に飲まれるが、助け出し、何とか人間となった。












しかしこの物語、子供向けということでイタリアのジゴロことカルロは真の物語を鬼編集者の手によってネジ曲げてしまうことになった。そして現世になってしまった。先日カルロは筆者の枕元に立ち、筆者に告げた。「カリスマさん、どうか真の物語を伝えてくれ」と。



そこで、本日は今は亡きカルロ氏の志を引き継ぐ男こと筆者が、真の物語をお送りしようと思う。









それではピノッキオ真物語、いざ開幕。。。













目を覚ますと、ヤニ臭い爺が至近距離から俺を見つめていた。
「うおぉぉ、何だ、爺!?」
と寝起きの俺は得意の南斗聖拳で、爺を瀕死の状態まで追いやった。




爺は虫の息で口を開いた。
「嘘をつくんじゃない、ピノッキオ。嘘をつけばつくほど、お前の股間は大きくなってしまうぞっ!!」





??






俺が・・・ピノッキオ?
























俺の名はシン。南斗聖拳の使い手。北斗神拳を伝承した直後のケンシロウを一蹴した実力の持ち主。ケンシロウに胸の傷を与えた男。ユリアを強奪し、彼女のために略奪の限りを尽くしたが、それでも彼女の心がケンシロウから離れないことを悟ると、ケンシロウとの勝負の後、自ら命を絶った男(当初原作では流派名等は付けられていなかったが、後に出てくる南斗の使い手との話を合わせるため、愛に殉じる宿命を背負う南斗六聖拳「殉星」の男と、南斗孤鷲拳と言う流派であるという設定が追加されたとの噂もある男)・・・。







俺は確かケンシロウとの戦いの後、こう言ったはず・・・。






「生かせよ、ユリア。殺しの悪名あえてかぶろう!!ケンシロウとの決着をつけるには好都合よ!!いずれ俺かケンシロウ・・・・・・どちらかがふたたびユリアの前に・・・その時まで決して死なすでないぞ!!」と。






俺の死は日本の子供達に大きな影響を与えたはず。どこかの新聞では「巨星堕(お)つ時」と紹介された気がする・・・。







なぜ俺はこんな暗闇にいるんだ?なぜ俺は変な帽子をかぶっているんだ?何故俺は・・・。体中が木なんだ??





俺はユリアを見つけ出し、ケンシロウにリベンジをしなければいけない・・・。






俺は立ち上がった。体中が変な音を立てる。キコッキコッ。
俺はこの機械的な音が気に喰わない。おもむろに爺の胸グラをつかみ、






「やい、爺。まだ死んじゃいねぇだろうがっ!何で俺がこんな姿形になってるのか、言ってミソラシド!?言わないと南斗獄屠拳を喰らわすぞ!(なんとごくとけん:蹴りを持って相手の両手両足を深く切り裂く技。ケンシロウはこの技を受けて立てなくなった。拳と言いつつ蹴りを放つのはどうかと思うがフェイントなのか?と噂される技)」
と強烈に脅した。









「ひ、ひぃぃぃぃ」
と爺は息も絶え絶え、説明をし始めた。







(あ)爺は子どもが欲しかったため、木の人形を製作。木の人形に人間の魂が宿るように毎晩祈りを捧げながら製作を続け、木の人形をピノッキオと名づけた。
(い)ピノッキオ人形が完成した夜、大きな流れ星が落ちた。その瞬間、自分の意識が遠のいた。
(う)意識が戻るとピノッキオ人形は神々しい光を放っていた。そのため、顔を近づけ声をかけていたら、先ほど南斗聖拳を喰らった始末。















「ほう、と言うことは、爺。俺は『ピノッキオ』と言う名のお前の玩具と言うわけか?大人のオモチャなわけか?」
「いや、玩具だなんてそんな・・・」
「で、お前の言う『嘘をつくと股間が大きくなる』という条件は何だ?」
「つ、つまり、ピノッキオが人間に近づくために、良いことをするように条件を設定したんじゃよ」
「ほぅ。面白いことを言うのぉ。では早速試してみるか。『我が人生、お前のために使ってやろう。何でもしてもらいたいことを申せ』」
「ほ、本当か、ピノッキオ!?」
「嘘にキマットルだろうが!!」













ピノッキオは本気で南斗聖拳をツエッペリにぶち当てた。








「ヒベシっ!」
の断末魔と共にその人生の幕を閉じるツエッペリ。


















「ビヨヨヨヨォォォン」
ピノッキオの股間は膨れ上がった。















「ふはははははっ。これでユリアも我に振り向いてくれるというものよっ。所詮、女子とは受精するために生まれてきた動物。強い男、そして強い男の象徴である大きな男根に魅力を感じるどうしようもない生き物よ。ワハハハハッ。さて、ユリアを探しに行くとするか」













体をきしませながら、ツエッペリの町工場を出て行くピノッキオ(シン)。カメラはピノッキオの活き活きとした後姿とツエッペリの亡骸、そして次の出番を舞台袖で待っていながらも恐怖で慄く魔女を映し出してフェードしていく。




一時閉幕。。。