エイプリルフール

筆者は正義だ。
ぶっちぎりに真っ直ぐだ。
ティンコなんて真っ直ぐ以外何でもない。




だから歪んだことは嫌いだ。
嘘をつくことなんてアリエナイ。
なので、エイプリルフールは大嫌いだ。
がしかし。
エイプリルフールには暗い思ひ出がある。
本来であれば「思ひ出系」なのだが、暗い話のため「思い当たりマッタリ系」にしておく。
と言ったわけで、「思い当たりマッタリ系」〜エイプリルフール〜、いざ開幕。。。












世界を股にかけるカリスマ・正義こと筆者が幼き頃、父方の祖父と呼ばれるボケ老人が突然倒れ、頭か何かを強く打ったらしく、突然ヤバクナッタというときがあった。
新学期を向かえる直前のため、目一杯遊んでいる4月1日に筆者は病院に呼び出された。
もっと遊んでいたい、ってか祖父って誰?くらいの勢いで病院に連れて行かれた。






「いい、筆者?お爺ちゃんはまだ意識はしっかりしているんだから、元気づけてあげるのよ?」
とDNA上、母と呼ばれるメス豚がブヒブヒと筆者に伝えた。
「確認しても良いかね?」
「何、筆者?」
「私は誰が相手でも正直に話がしたい。嘘偽りナシでだ。・・・それが例え、DNA上、祖父と呼ばれる人が相手で、彼が瀕死の状態であっても、だ。・・・いいな?」
「(はぁ)←ため息。嘘は言わないってことね?」
「あぁ。ただし、ご老人も可哀相だ。彼に関するコメントは聞かれない限り、控えてやろう」
「そうね。じゃぁ、お祖父ちゃんの顔色とか元気そうだね、とか、そう言う事は言わないでね」
「あぁ。聞かれない限りは、な」
と筆者は病室を開けた。






「おぉ、筆者。わざわざすまんな。」
「あぁ(意:スマンという謝罪を受理している)」
「お祖父ちゃんが倒れたって聞いて、ビックリしたろ?」
「あぁ(意:遊びの途中で呼び出されたのでビックリ)」
「どうだ、筆者は元気か?」
「あぁ(意:元気だ)」
ここまでは「クローズドQ(意:ハイ・イイエで答えれば良い質問)」なので、やり取りは自然だ。






「どうだ、筆者。ワシは元気そうに見えるじゃろ?」
キラークエスチョンがきてしまった。
生唾を飲むメス豚。
一瞬悩む筆者。
祖父のために、嘘をつくべきか。
あるいは、自分のポリシーを貫き通すべきか。
筆者は悩んだ。






「な、なんじゃ、筆者、その間は?お祖父ちゃん、ビックリしちゃうじゃないか」
(これ以上の沈黙は老体に悪いに違いない)
筆者はそう思い、口を開いた。











「いや、貴方の顔は、今にも死にそうな表情だ。目が魚のように死んでいる」
「・・・。」
「まぁそう落ち込むな、ご老人。新陳代謝だと思えば良いのではないか?この病院の産婦人科では、今日も新しい生命が生まれたのであろう。世界レベルで見ると、人口が一人増えた。よって、新陳代謝をするため、神が一人選んだ。今回は偶然それが貴方であった。そう考えれば気が楽にならないか?」
「筆者っ!!←DNA上、母と呼ばれるメス豚」
「通常ならばココで『失礼』と謝罪すべきであろう。が、しかし。私は本日も嘘・偽りなく他人と接したいと思っている。そしてその点は彼女(とメス豚を指差し)から許可を得ている。なので、謝罪する気は毛頭ない。まるで貴方の頭のように、だ」
「・・・(怒りからかプルプル震えながらはげ頭を触る老人)」
「しかし、良かったではないか、ご老人」
「何がじゃ?」
「死ぬ前に可愛い孫に会えて。これで思い残すこともなかろう。残すものを残して、キレイに逝ってよいぞ」
「・・・メス豚さんや。」
「はいっ!?」
「ちょっと良いかのぅ?」
「は、ハイっ!筆者、お母さんとお祖父ちゃんは話があるから、アンタちょっと外で遊んでなさい!」
「よかろう。が、しかし。正直に言うと、私は迷惑している。まず、近所で真剣に遊んでいるのに止められた。次に会いたくもない祖父と呼ばれる老人のところに連れてこられた。その上、嘘偽りなく話した結果、外で遊んでいろと言われる。大人には大人の事情もあるのであろう。が、しかし。子供にも子供の事情がある。今後はそこら辺を理解していただきたい。(祖父に目を向け)それではっ!」
「き、貴様ぁぁぁぁ!!」(血圧が高まる老人。ドアを閉める筆者。その瞬間に『ピー』という心臓の音が止まる音がし、『いやぁぁぁお義父さーーーん!!』というメス豚の叫びが聞こえてきた)








エイプリルフールは嫌いだ。
嘘をついても良い日。
なのに嘘をつきたくない筆者にとってこの日は拷問でしかない。
しかも祖父と呼ばれる老人を追い詰めてしまった気もする今日この頃。









なので最近は日記もアップしなかったとさ。







筆者の言い訳を尻目に
一時閉幕。。。