美茶


世の中が認めるカリスマ・マーケターこと筆者は、常々マーケティングを行う際、消費者に満足を提供することを目的にしている。これを目的とすることで、消費者のニーズを聞き出し、革新的な製品やサービスで満足を提供することが出来るからだ。そして消費者は、見返りとして筆者がマーケティングした製品・サービスを購入し、結果として筆者に売上げや利益をもたらせてくれる。



さて、この消費者起点の考えの基、消費者に対して満足を提供する場は2つに焦るべきだ。そう、製品・サービスを購入する場と使用する場である。



もちろん、シモネタ好きの筆者であるため、この考え方は異性間でのアプローチでも使えると信じているし実演している。




さて、そんな中、本日は非常に素晴らしい製品と出逢い、そして使用する瞬間が訪れた。そしてそこから再認識したことを読者にお伝えしたい。




その製品とは日本が誇る世界の飲料メーカー、サン○リーの最新ブランド「美茶」である。





まず、このブランド、店頭で映える。ボトルが美しい。またボトルを取り巻くパッケージフォルム(業界用語)も非常に綺麗である。店頭で出会う瞬間での筆者との出逢いはバッチリである。それこそ、街中で柴崎KOタンを仮に筆者が見かけたら、筆者のカリは大洪水してしまうかのように、一目惚れさせてくれる外見である。



しかも、フォルムで伝えている、「8種類の自然素材」、「バラの香り」、「ナチュラル・フィーリング(正式には英語で表記)」という言葉・・・。仕事に明け暮れ、世界を股にかけるエリート・ビジネスメンこと筆者にとって、正にピンポイントの言葉である。「自然に癒してくれる・・・」ええ言葉やないですか、ノゥ兄貴。

そして冷蔵庫(ここは御三家と呼ばれるコンビニエンスストア「ファミマ」のドリンク売り場の一角)の中には、輝かしい文字が!!





「新製品」。





ええ響きや。この薄汚れた世の中に君は「生きる」という使命を受けてしまったんだね・・・。



筆者は一目惚れした美茶を応援したくなった。その美しい外見とは裏腹の呪われし運命に清き一票さ。





と言うことで、筆者はその可憐なボトルを手を伸ばす。





「軽っ」

そう、彼女は500mlのボトルのところに並べられていながらも、実は350mlである。

「まぁ、いいか。新製品だし、120円だろ」

リッチマンな筆者は人間の器の大きいところを自覚する。



レジに行く。誰も並んでいない。そう、ここは某国田舎の浮き島のファミマである。周りに人はいない。が、万引きしないあたり、さすがはリッチマン。




「ピっ」
レジの音が鳴り響く。




「140円です」




な、何ぃぃぃ!!350mlのくせに140円??あなたコーラが500mlで147円の時代で140円ですか。





へぇへぇへぇ。



そこにヘェボタンがあれば連射していること間違いない。高橋名人をはるかに上回る1秒間で32連射は堅いぜ。毛利君と同点さ。




「袋要りますか?」
「いえ、結構です」
エコな俺だぜ。




「それでは」
おもむろに彼女にシールを貼るファミマのレジ担当。

おい、彼女の美しいフォルムにシールは辞めてくれ・・・。
叫びだしそうな筆者はグッと我慢。さすが俺。大人になったもんだ。




店での一目惚れが終わり、筆者は外に行く。彼女の頭をねじり、封を開ける。
さぁ、いよいよ使用する瞬間を迎えるときが来た。

「フワっ」
草原を思わせるバラの香りがする。ナチュラルなヒーリングを感じる筆者。仕事を忘れそうになる。いいではないか。筆者と彼女の口が重なる。



まずっ。


苦い。圧倒的にまずい。

筆者はブレンド茶が嫌いである(特に16○や壮健美○)。お茶は純粋でないとイカンと思う。そんな筆者に対しての侮辱である。

そして飲んだ後、一呼吸してみる。プハァァ。


これは何かの間違いに違いない。確かお昼ごはんは、日本中のビジネスメンが憧れる最高級の定食こと、並とんかつ定食である。こ、こんなニオイがするわけはナイ。アリエナイ・・・。

なぜ筆者の口からは「爽やかサワデー」の香りがするのだ?なぜサワデー??何故サワデー??WHYサワデー??

それは、筆者が本日全く仕事をしていないからですか?
うんこマンだからですか?
だから爽やかサワデーなのですか?



結局出逢いは最高だったのに、使用した後、2度と買うもんか、と思ってしまった。




ここで格言:出逢いが最高一目惚れX使用感最悪=2度と買われない。むしろ最悪の印象を与える。




世の中の女性にも言えることではないのか?



今日は憧れの彼をゲッチューするためのデート当日。ふ、私、外見ばっちり、服装胸元チラ見せ。中々やるじゃない、ねぇ姉さん。



が、その日に勝負する予定ではなかったため、へそパンを着用して来てしまっている!はっきり言って、男性にとってその使用感たるや最悪の一言である。しかも夏前なのに、ヘア処理をしていなかったため、若干ゾリゾリする感触たるやいかがなものかと。



そんなわけで、彼氏は逃げてしまうのさ。



「ちょっと待って、佐藤さん(仮名)!私の何がいけないの?」女は聞く。
佐藤は叫ぶ。関西弁で。


ユーは「ビッチや(美茶)!」とね。

そんな物語を思いながら、サワデー臭がやるせない今日この頃・・・。