また逢おうと竜馬は言った

波乱万丈の人生が待ち受けるカリスマ・サーファーこと筆者に新たなる挑戦が待ち受けている。それも明日、土曜日の話だ。

世界を股にかけるカリスマ・コケコッコこと3歩歩いたら記憶を失う男、通称「宅さん(仮名。サカツク系の番記者のモデルでもある)」と明日逢うことになっているのだっ!!




宅さんとまた逢える・・・。そんな想いと宅さんに捧げるトリビュート(鳥ビュードも可)として、世界を股にかけるカリスマ・ストーリー・クリエーターこと筆者は、創作系のお話しを書くことにした。



が、筆者は悩んでいた。

と言うのは、だ。

誰も気にしていないこのブログ内のカテゴリーの境界線が明確でなくなってきているからである。


要するに、だ。


創作系とは「筆者の想像で書いたお話」である。
ドリーム系とは「筆者が夢に見た妄想的なお話し」となっている。
思い当たりマッタリ系とは「会社で書くもの・読み返さない」ものとなっている。
思ひ出系とは「筆者の思ひ出を妄想とともにお送りするカキ物」となっている。

しかし、本日のお話はこれら全ての要素を持ち合わせている。


解説しよう。



今回の執筆に対して自らに縛りを与えた。

その縛りとは、

筆者と宅さんが大好きな劇の名を拝借し、全く別の物語を書く
想像と妄想で考えずに執筆
夏の終わりを飾るべく、甘酸っぱさをサクっと表現

という3本の縛りだ。


ハッキリ言って、どれだけの駄文になるか、あるいは感動的なお話になるかは未定である。それこそオチを決めずに話し始める感覚である。


それでは『創作系:〜また逢おうと竜馬は言った〜』いざ開幕。。。










「コンコンっ」
大学が休みに入り、久しぶりに帰った実家の俺の部屋の窓が優しく叩かれた。

俺の部屋は2階。たぶん身長7メートルを越す巨人兵でなければノックは出来ない。
しかも巨人兵であれば今ごろこの窓は砕け散っているだろう。
となると、窓をノックするのは1人しかいない。

そう、窓と窓を挟んだお隣さん、一つ年下の幼馴染、美姫(ミキ、18歳)だ。

「何っ?」
不機嫌そうに窓を開ける俺。いつも一緒に遊んでいた美姫の顔を半年ぶりに見るのは正直照れくさい。半年前に大学に入るため実家を離れる際、美姫に一時の別れを告げたとき、読んで字の如し「美しい姫」へと成長していた美姫。休みになって逢えるのが楽しみだった。




「やっ!元気してた?」
タンクトップ姿の美姫が窓辺に頬杖をして笑いかけている。笑うとできるエクボがこんなに似合う女性になってるとは。それどころか、タンクトップからは胸元が覗き込める。以前は気にならなかった美姫の胸元。正直言ってこんなに大きくなってるとは・・・。自然と目線が泳いでしまう。



「何だよ」照れ隠しに聞く俺。
「べっつにぃ。ただ久しぶりだしサァ。帰ってきたって聞いたから」
「嘘つけ。いつ帰ってくるか、今か今かと待ちわびてたんだろ、どうせ」
「はぁぁぁ?寝言は寝てから言ったらぁ?」
「な、何だよ。良いじゃんかよ、別に。少しくらい夢持たせてくれてもさぁ」
「え、な〜に、夢って。美姫にそう言ってもらうのが夢だったの?」
「・・・」
「な、何、その無言」
「そ、そうだよ。夢だったんだ。美姫にそう言われんのが」
「え・・・」
「で、『待ってたんだよ』とか言われるだろ。で、『ふぅぅぅん、俺は待ってなかったけどね』って冷たく言い返すのが夢だったんだ」
「はぁぁぁ?バッカジャナァイ?」
「ところで、お前今年受験だろ?俺なんかと話してていいのか?」
「ああ、ちょっとした息抜きだし。別に大した勉強してなかったし。ほら、テレビも点いてるし」
「ナンだ、その勉強方法?」
「だって、手につかないんだもぉぉん」
「あっそう。そんな理由で俺の邪魔すんなよ」
「何してたの?」
「もう寝ようかって思ってたんだよ」
「えぇ、まだ11時だよっ!?ジジくさぁ」
「うるせえなぁ。明日早いんだよ」
「え、遊びに行くの?何しに行くの?誰と?」
「俺の勝手だろ。俺もう寝るぞ」
「えぇ、もうちょっと話し相手になってよぉ。あっ!ハニカ○始まったよっ!見ようよ!これ面白いよねっ!」
「えぇ??」
という俺を無理やり呼び出し、俺は窓から窓へ移動することになった。おばさんが音を聞き部屋を空けたが、「あらいらっしゃい、何か飲む?」のお言葉。・・・やっぱり幼馴染、誰からも男として見られてない。




俺をベットに腰掛けさせ、美姫は勉強机のイスに座る。寝巻きと思われる半ズボンから彼女の真っ白な素足が眩しい。
「やっぱさぁ、ハニ○ミってドキドキすると思うんだよねぇ」
「そうかぁ?」
「だってさぁ、初対面の人とデートするんでしょ?しかも手をつないで」
「あぁ」
「そりゃドキドキするって、絶対」
「しないだろ。たかだか手をつないでるだけじゃん」
「なーんか大人びたコメントだなぁ。何?もしかして彼女とかできちゃったの?」
「な、何言ってんだよ!それよりお前は?」
「しがない受験生。恋はご法度なんです・・・」
「ナンじゃそりゃ?」
「でも絶対ドキドキするって。ホラっ」

と俺の隣に座り、手を握る美姫。二人はテレビに顔を向けている。



「ねっ?ドキドキするでしょ?」
「し、してなんかいねぇよ」



ダウトである。だってメチャクチャどきどきしてる。16ビートどころの騒ぎじゃナイ。



「じゃぁハニカミっぽく、番組が終わるまで手握り合ってようよ」
「はぁ?」
「ハイ決定!!」
と俺の手を強く握り締める。




参った。正直言ってメチャクチャ好みの女性になってるし。夜二人でベットの上で手をつないでテレビとか見ちゃってるし。はっきり言って幼馴染じゃなかったら、狼に変わるぞ、俺。いやむしろ、これは誘ってる。誘ってるに違いない。男なら思うだろ、普通!?




ヤバイ、このままじゃ俺、マジで狼になっちまう。





「お、俺、帰るよ」
「はぁ?さっきの約束は?」
「お前が一方的に言ってきただけじゃんか、じゃぁな!」
と手を離し、立ち上がる俺。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
「じゃぁな!」












「待ってよ、竜馬!!」
「また逢おう!」








そう言って俺は窓越しに自分の部屋に戻っていった。チョッピリ狼になれなかった不甲斐ない自分に嫌気を抱きながら・・・。



駄ストーリーのため、一時、むしろ永遠に閉幕。。。