DBスクエア生誕

(これまでのあらすじ(詳しくは11月9日号参照))
某国独裁者こと首相KOIZUMYは側近であるNOVAKA官房長官を呼び出し、3つの社会問題への高い意識について話していた。そして、その社会問題に対する改善策を言おうとしていた。


それでは創作系〜DBスクエア生誕〜いざ開幕。。。






「問題を再度確認してやろう。①地方の過疎化、②高齢化社会、③DebuとBusuが当たり前のように生活している、分かったな?」
「ええ・・・」
「我輩の改善策は、成功が必須だ。失敗は許されない。そのため、まずはある地域で試行をする。そこでの失敗を改善してから全国展開するつもりだ。」
「はぁ」
「まず、試行段階では全国民に知らせないようにしなければならない。混乱を避けるためだ。よって、ある地方で行なう。我輩はその地方を定めた。それは、SAGA。SAGAだっ!!」
「SAGA,ですか・・・」
「そうだ。SAGAはNAGASAKIとFUKUOKAという地方都市に挟まれているにもかかわらず、過疎化が促進しておる!NAGASAKI県民がSAGAを車で通る際、『SAGAの空気が入る、窓を閉めろ』などと冗談を言うほど過疎化が進み、流行に遅れている。逆を言えば、情報が外に漏れることはない、ということだ!!ここで試行プランを行なう!」
「はぁ」
「次に高齢化問題だ!SAGAおよびKYUSHUは高齢化が最も進んでいる地域の一つと言っても過言ではない!よって、SAGAを使用し、KYUSHUの人口分布を変えるシステムを作る!」
「はぁ」
「最後に!!DebuとBusu問題だ!ここまで来ると貴様でも我が考えを察知できるであろう」
「いえ・・・」
「ウツケめ!」





言葉とは裏腹に、KOIZUMYはNOVAKAのバーコード頭を「フッ」と息をかけた。
KOIZUMYの息になびくNOVAKAのバーコード。
しかし、NOVAKAはそんなKOIZUMYのお茶目な遊びにも目をくれていない。





「だからお前は、我が国の将来を担うTAIZOのようなジャリ議員から『NOVAKAのバーカ』とからかわれるんだ!」
「はぁ」
「まぁ良い。我がプランを続けるとしよう」
と、無反応なNOVAKAをカラカウことに飽きた首相は先を続けた。







「つまり、だ。KYUSHU中のDebuとBusuを集め、SAGAに閉じ込め、隔離する!これを「DBスクエア」と呼ぶことにする!彼らは「DBスクエア」から足を踏み出すこと、外部との連絡を取ること、そして一切の性行為を禁止とする!デブとブスが性行為をすると、DNAの関係上、次世代もDebuとBusuの可能性が高いからな・・・。」
「・・・」
「そして、DBスクエアはKYUSHUの財政を黒字化するために、自給自足はおろか、KYUSHU全域の食料と経済を担う、エンジンとする!」
「はぁ」
「その他のKYUSHU地区に残ったKYUSHU民も他地域への移動を禁止し、情報コントロールをする!代わりに今までかつてないほどの裕福な生活を保障する!KYUSHUの全ての食料、経済活動はDBスクエアから賄うとする!」
「はぁ」
「つまり、だ。DBスクエアをDebuとBusuの集合地帯として隔離し、KYUSHU全体を賄う経済活動と食料作成に全力を注がせ、性行為を禁止する、言わば働き馬だ。とは言っても、彼らは性行為をするであろう。禁止された活動は、人間にとって魅力的だからな・・・。彼らは次世代の働き馬となるであろう」
「・・・」
「そして、KYUSHU地域の非Debuと非Busuに関しては、我が国で最も高い生活レベルを約束する。そうなると、分かるかNOVAKA?彼らは性行為のみを行なうであろう。そうすれば、次世代の人材は豊富、かつ非Debuと非Busuで可能性が高くなる。もちろん、人間とは自分に甘い生命体だ。自分に厳しくなければ、生活が保障されている人間など、食ってはヤリ、そして寝るだけの人間となり、直ぐにDebuになるに違いない。そうなった場合は、DBスクエアに新しい人材として送り込めばよい」
「・・・」
「どうだ、NOVAKA?我がアイデアは?」
「・・・首相、恐れ多くも発言させていただきます」
「してミソラシドっ!」
「それではまるで植民地を我が国内に作ることになってしまいます。クーデターも起きるでしょう。国が崩壊してしまいます。そもそも国会を通るわけがありません!!」
「ワッハッハッハ!小童めが!」
KOIZUMYの大きな声で、空気が揺れ、NOVAKAのバーコードヘアが元通りになる。





「そんなこと、国会に提案してみなければ分からないではないか!?しかも、これはあくまでも試行プラン。失敗はつき物じゃ!!だから小規模でテストを行い、そこで学んだ改善策を踏まえて全国展開するのではないか、阿呆めが!」
「それはそうかもしれませんが・・・」
「ええい、NOVAKA!!だまらっしゃい!!我輩がお前に聞きたいことは、このプランは3つの社会問題をクリアできそうかどうか、と言うことのみだ!考えてみろ!!」






(現実化は無理なんだし、ここは言うとおりにしてみるか・・・)

そう思ったNOVAKAは首相のプランを検証することにした。







「確かに、高齢化は阻止できるでしょう。過疎化に関しては、非経済的な土地の活性化と有効活用、つまり過疎化の進む土地に関して新たな役割を命じるというお題目であれば解決とも言えるのではないでしょうか。DebuとBusuの問題、まぁ問題と捉えている方がどれだけ多いかは別としてですが、この問題も隔離が徹底できれば成功ですね。あとは、何を基準にDebuとBusuと呼ぶか、ということではないでしょうか。」
「その通りだ!!よし、国会を通すぞ!!」
「い、いや、ちょっと待ってください、首相!」
「山田!!山田はおらぬか!?」
ヒョロヒョロ姿の執事が音も立てずに現れる。





臨時国会を開け!首相官邸内大ホールで3分後だ!!不在は賛成と見なす!」
「しゅ、首相!!!」
NOVAKAの声も届かず、善は急げ、とばかりのスピードで大ホールへと向かう首相。






国会にて。
「・・・といった案だ。反対は?」
とてつもないプランに声も出せない国会議員。それもそのはず。3分間で揃ったのは、偶然にも小ホールで勉強セミナーを行なっていたKOIZUMYチルドレン数名でしかなかった。






(止めなければ・・・)

意を決したNOVAKAは挙手をした。
「首相!!議員の約9割が不在の中で案を通すのはいかがなものかと」
「それはナイ!臨時国会なのだから、集まれない方が悪いのだ!!」
ソーダソーダ!」
何も分かっていないKOIZUMYチルドレンが本日の勉強セミナーで学んだ「野次」を飛ばす。
「首相!それでは、独裁政治になってしまいますぞ!!」
NOZAKAが口を挟む。




そこへ。





「バーンッ」とドアが開き、映画「卒業」よろしく国会になだれ込んできたのは、MINSHU党のリーダーこと、ODAKA代表である。若手リーダーとしてメキメキと実力を発揮、いつの日かこの国の政権を握るのではないか、と噂される男である。







「首相!遅れてすまなかった!1点訂正を願いたい!」
「ほぅ、ナンだね、ODAKA君?」
「『非参加=提案に賛成』ではなく、『非参加=党の代表の意思に賛成』としていただきたい!3分間の猶予で始まった臨時国会。集まれない議員が多くても仕方がない!が、首相の党と同じように、私の党内の意思は統一されている!!よって、『非参加=党の代表の意思に賛成』としていただきたい!でなければ・・・。私はマスコミを通じて、首相の原案を国民に言うつもりだ!!」









ソーダソーダ!」
何も分かっていないKOIZUMYチルドレンが本日の勉強セミナーで学んだ「野次」を違う党の人間に飛ばしている。
「ほぅ、そう来たか、ODAKA君・・・」
「(囁きながら)しゅ、首相、恐れ多くも!!」
「何だ、NOVAKA!!」
「ここは、ODAKAさんの言っていることを聞かないと、『独裁者』としてのレッテルが貼られ、首相から降ろされてしまう恐れがあります!ここは聞いておきましょうっ!!」
「な、なぬぅぅ」
「首相!首相のお返事は如何に!?」
ODAKAはココゾとばかりに首相に詰め寄った。







「如何に!?如何に!?」
何も分かっていないKOIZUMYチルドレンが本日の勉強セミナーで学んだ「野次」を飛ばす。




「ODAKA君の言うこともよく分かる」
首相はユックリと口を開く。




「が、私はこの提案をどうしても実行したい。そこで、だ」






「そこで!?そこで!?」
何も分かっていないKOIZUMYチルドレンが本日の勉強セミナーで学んだ「野次」を飛ばす。








「私はこの提案に反対するものは、国会から追放することにする!!そして新たな国会議員を選びたいと思う!」
「な、なにぃぃぃ」




(まずい・・・。)

NOVAKA官房長官は思った。この場には、首相とNOVAKA,KOIZUMYチルドレンとODAKA党首しかいない。このまま投票を行なったら、国会は解散し、総選挙が行なわれ、G−MIN党は大敗し、政権はMINSHU党に渡ってしまう。。。








「そういうことで良いね?それでは投票だ。賛成の人手を挙げて!」








BGMは静寂だった。誰も手を上げない。









「もう一度聞く。賛成の人手を挙げて!ちなみにここで手を上げる人ってのは、生粋のKOIZUMYチルドレンのことだよっ!!」







ハッと気づくKOIZUMYチルドレン。ぞろぞろと手を上げる。







(ま、まずい・・・。このままじゃ、国会解散が行なわれてしまうじゃないか・・・。)

NOVAKAは焦った。しかし、首相はNOVAKAに考える時間を与えない。





「反対の人手挙げて」






ODAKAのみが挙手をしている。







ODAKA、KOIZUMYチルドレン、そして首相の目線がNOVAKAに注がれる。




(まずい・・・。私の議員生活が終わる・・・。)

NOVAKA官房長官は思った。しかし、NOVAKAは起死回生の一発を思いつき、実施に至った。








「いやぁ、首相、スミマセンでした!総合司会までやらせてしまって!!それではここからは、私めが総合司会を引き継がせていただきますぅ。・・・では確認しますと、提案に賛成が首相のG−MIN党、反対がODAKAさんのMINSHU党、ということで、法案は非成立となりました!」
「NOVAKA!!お前の票は!?」
「私は総合司会ですから、無効です!!それでは、国会は解散、本日より国会議員総選挙ということになりました!!」







拍手をするKOIZUMYチルドレン。本日のセミナーで学んだようだ。
KOIZUMIYら政権を奪うことができる、と微笑むODAKA。
何故か満面の笑みのKOIZUMYI。
最後は自分の保身に走ったNOVAKA。


そんな4者を尻目にシーンは変わって行く。。。




再び首相官邸内の書斎にて。


KOIZUMYとNOZAKAは顔を合わせていた。
「しゅ、首相!!これで我が党はお終いです!」
「ウツケめ!!」




とNOZAKAに回し蹴りを食らわすKOIZUMY。何故か興奮しており、暴力的になっている。
「NOZAKA、お前は政治と言うものを分かっていない」
「はっ・・・?」




「良いか。『DBスクエア』という原案は「DebuとBusuの基準が曖昧」というところがミソなのだ。つまり、だ。ODAKA君はどうせ、『人種差別』、『植民地化』などのどうでも良い論議で我輩を攻めてくるであろう。が、我輩の戦法は非常にクリーンに行く。高齢化社会の歯止め、過疎化の歯止め、そして非Debuと非Busuには天国のような生活が待っている、という甘い夢を見させてやるのだ!」
「しかし、実際問題、DebuとBusuとして選ばれる人たちには地獄が待っているじゃないですか!」
「そこの定義を曖昧にし、あたかも『ホンの一握りのDebuとBusuが働くだけで、大半の非Debuと非Busuは天国の生活を享受できるように法案化する予定だ』とでも言えば良い!そうすれば、夢見がちな国民とお年よりは我輩に票を入れることであろう。」
「し、しかし首相!!」





「ええい、だまらっしゃい!今回の選挙は国民の真意を聞く選挙だ!!!」
KOIZUMYは声を高らかに宣言した。




そして。。。









SAGA県は『DBスクエア』と名称を変えることになった・・・。


一時閉幕。。。