DB内事情

(これまでのあらすじ(詳しくは11月9日&10日号参照))

某国首相兼独裁者のKOIZUMYの思い付きにより、国会は再編成され、「DBスクエア*」を立案し、テスト実施することとなった。
注:DBスクエアとは。
狙い:①高齢化の歯止め、②地方過疎化の歯止め、③DebuとBusuの減少。
プラン:DBスクエア(下記参照)で地域テストプランとして実施し、改善点を見つけ、全国へと展開する。
場所:某国KYUSHUはSAGA。
DBスクエア住民の種類:KYUSHU中のDebuとBusu
DBスクエア住民の使命:①KYUSHUの全ての経済活動を担う、②性活動の禁止、スクエア外部との情報・連絡・往来の禁止。
KYUSHU民の種類:KYUSHU中の非Debuと非Busu
KYUSHU民に与えられる特権:経済活動を行わなくても充分すぎるほどの生活の質(=甘い生活






それでは、「創作系〜DB内事情にて」いざ開幕。。。










「皆の衆、遂にこのときが来た!!」
「うおぉぉぉぉぉ!」







世にも醜い集団ことBusu市の青年団は、市長である長老の掛け声に合わせ、士気を高めていた。それは、まるでゴスペルが始まるかのようであった。。。。










「聞け、皆の衆!DBスクエアに入れられて早5年。辛いときも厳しいときも我々は歯を食いしばって耐え忍んできた!」
「耐え忍んできた!」
「が、しかーし!!私には許せない!私は決して奴らを許しさないぞ!」
「許さない!!」
「元々、奴らは私たちと同じ扱いでなければならない!が、本性はどうだっ!?」
「どうだっ!?」
「奴らは私たちよりも自分達が上だと考えているではないか!」
「そおぉぉだぁぁぁぁぁ!」










「「Debuは痩せれば外に出れる、Busuは一生直らない」だと?「BusuはDBスクエアで一生を終えるべき」だと!?そんな言い草が通じてよい物か!?」
「駄目だっ!」
「一度入った奴は2度と出ることができない。そうあるべきなのだ!」
「そうだぁ!!」
「よって私は断固Debu村長に訴え続けるぞ!「Debuが痩せても外には出られるべきではない、ことを!」」
「おぉぉぉ!!」







DBスクエアというテストプランを実施し、検証結果後、全国展開するまでの期間は10年と決められていた。政府の指示により、DBスクエアはDebu村とBusu市に別れ、Debu村は主に肉体労働である第一セクターを、Busu市は主に頭脳作業である第二セクターを担当するようになっていた。DBスクエア民は、労働でクッタクタになっていたため、第三セクターを必要としていなかったのだ。




が、しかし。







Debu村民は、肉体労働を担当するため、必然的に痩せるようになった。そして非Debuとなった彼らは、DBスクエアから釈放され、KYUSHU民として、厚い生活の保護を受けているという噂がBusu市の長老に伝わってきたのだ。






Busu市民の不満は高まり、青年団を中心にDebuとBusuの平等な人権を求めはじめていた。




そして。。。




「皆の者!武器を置け!まずは、ワシからDebu村長に話をしに行く!話し合い次第では武器を手に取らねばいけないかもしれん。が、最初から暴力に走るのはよくないぞ!」
「おおぉぉぉ!!」
と掛け声とは裏腹に、青年団は武器を地面に置いた。








あくる日。Busu長老は1人、Debu村長を訪ねた。









「やぁ、Busu長老。いらっしゃい。」
「やい、こら、Debu村長!我が市民の不満の声が高まっている!ワシはそれを伝えに来た!」
「丁度良かった。私たちも長老を訪ねようと思っていたんだ。」
「何をぉぉ?自分らの立場もわきまえず、ワシらに対して言いたいことがあるというのか?無礼ものめ!」
「まぁ、長老。ちょっと怒りを納めて私の話を聞いてくれないか?」
「なんじゃその物言いは?」
「長老たちの怒りは分かる。が、私たちも脳みそを使わない仕事な分、考えながら仕事をしていたんだよ。まぁ聞いてくれ。。。」
「ふんっ!」






とBusu長老はそっぽを向いているが、耳は傾けている様子のため、Debu村長は滝のように流れる汗を拭きつつ、話し始めた。







「多分、長老の怒りのポイントは、「Debu村民が肉体労働で汗を流し痩せた結果、DBスクエアから出て行く例が増えてきた」件だろう?Debu村民は外に出るチャンスがBusu市民より高い。その不平等性について言いに来たのだろう?それは私にも分かっている。」
「そうじゃ、その件じゃ!」
「長老、まぁ聞いてくれ。。。実は、DBスクエアから出た子達には、影の任務を与えているんだ。」
「影の任務?」
「そうだ。なぁ、長老。・・・長老は根本的なことを忘れていないか?」
「根本的なこと?」
と長老の顔が徐々に真剣になってくる。





「そうだよ。元々、この法律自体が歪んでいるじゃないか。間違っているじゃないか。人権を無視しているじゃないか。」
「確かに。。。」
「今は、Debu村とBusu市の間で言い争っている場合じゃないんだ。分かるか?」
「ふむ。。。」
「私は、「Debu村卒業者のその後の暮らし」という情報がBusu市に入っているということ自体が、政府の情報策だと思っている。」
「なぜじゃ?なぜそのようなことを政府がする必要があるんじゃ?
「長老達は正に「政府の思う壺」なんだよ。」
「はっ?」
「つまり、「Busu市とDebu村の間でイザコザを起こすことで、Busu市とDebu村が共になって政府にたてつく」という根本的な考えを思い浮かばないようにさせているんだ。」
「な、何と・・・。」








「私の仮定が正しければ、政府はDebu村とBusu市が協力体制になることを恐れている。だから、住むところや仕事を分けているんじゃないか?」
「・・・。」
「となると、政府は何故、私たちが組むことを恐れているのか?」
「ふむ・・・。」
「これは仮定の仮定なのだが、「DBスクエアの暮らし」を伝えられることを恐れていると思う。」
「なるほど。。。」
「だからDBスクエア内はもとより、KYUSHUの情報コントロールを行なっているんだ。」
「確かに。。。」
「そこで私たちは考えた。まず、Debu村から卒業生にKYUSHU内とKYUSHU外の情報を把握してくる必要がある、と思った。これがDebu村卒業生の第一の任務だった。」
「ほう。」
「が、しかし。彼らから何も情報を得ることはできなかった。。。」
「村長。彼らはKYUSHUでの甘い暮らしにその任務を忘れたのでは?」
「その可能性は否定できない。が、しかし。彼らの家族がDebu村にいるケースもあるので、私の予想では彼らはKYUSHU内で隔離されているのかもしれない。もしくは、情報コントロールが厳しいのかもしれない、という結論に至った。そこで、新たな卒業生には違う任務を与えた。」
「違う任務?」







「ああ。新たな卒業生には、「DBスクエアでの本当の暮らし」というものをKYUSHU民に伝え、人権に訴えることを任命した。が、しかし。」
「しかし?」






「KYUSHU民は、「甘い暮らし」に溺れているため、人権問題に無関心であることが分かった。」
「ちょっと待ってくれ。外部情報をどうやって手に入れたんじゃ?」
「KYUSHU民で「甘い生活」に溺れた人間がDebu村に来ることになった。甘い生活の末、太ってしまったらしい。彼らから状況を聞きだしたのさ。」
「なるほど。。。」










「そのため、第3の任務を新卒業生に与えた。それは、KYUSHU外の我が国の国民に「DBスクエアでの本当の暮らし」というものを伝え、人権に訴えることであった。」
「ほう。成果は?」
「悔しいが失敗だ・・・。伝書鳩で失敗の知らせが入った。」
「と言うと?」
「 「Debuが何を言う。DBスクエアから卒業できるということは、先天的なDebuではない。自制心が不足したからDebuとなり、肉体労働の結果、痩せることができたので卒業しただけじゃないか。痩せられて良かったな」といった反応だったらしい。」
「確かに・・・。」
「国民は分かっていないんだ。「俺は/私はDBスクエアに送られることがない。甘い生活が待っているに違いない」と。」
「しかし、待ってはいない、と。」
「そうだ。全国民に甘い生活を提供しようとすれば、DebuとBusuの定義を再検討し、より判断基準を高くしなければこの赤字国家はつぶれてしまう。ざっと計算するに、半分以上の国民は、DBスクエアに送られてしまう計算になるんだ!」
「ふむ・・・。」






「そこで長老の登場だ。」
「はっ?」
「長老の協力ナシでは私たちの最終プランは成立しない。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。話についていくので精一杯じゃ。この段階で村長が行なってきたプランをまとめさせてくれ。」






政府=Debu村とBusu市が協力することを恐れる==>歪んだ情報(Debu村から卒業した人間がいること)をBusu市に発信
Debu村の狙い=Debu村―Busu市間の争いを辞め、DBスクエアが人権的に間違えていることを訴え、廃止させる。
プラン1:Debu村卒業者に外部の情報コントロールを把握することを任命==>失敗(不確定情報。情報コントロールが徹底している?と推測)
プラン2:Debu村卒業者にKYUSHU民にDBスクエアの実態を暴露==>失敗(KYUSHU民は甘い生活を受けているので、その生活の基盤となっているDBスクエアの実情を知りたくもない。【Debu村新規参入者談】)
プラン3:全国民にKYUSHUのDBスクエアの実態を暴露==>失敗(「Debuが何を言う」と言われた【伝書鳩経由で報告】 )
そしてプラン4:内容は不明だが、Busu市の協力が必要・・・





「ということじゃな?」
「そうだ。」
「たしかに、実態を全国民に伝える必要はあるのぅ。そして、恥ずかしながら、ワシらBusu市民は、政府に踊らされていたことは事実じゃな。・・・すまんのう、村長。卒業生が辛い任務を行なっていたのに、ワシらは逆恨みをしてしまったようだ。」
「いやいや。そんなことよりも、重要なことは、私たちが今、共に信頼し、強固なタッグを組むことだと思う。」
「そうじゃな。よしっ!Busu市のことはワシに任せてくれ!青年団を通じて、必ずや協力することを約束する!」






Busu長老とDebu村長は固い握手を交わした。


ここに「DBレジスタンス」が発足された!!






「・・・で、プラン4の中身とは何ぞや?」
「それは。。。」
「ナンじゃ、何じゃ??」





「明日のお楽しみだ!!」
「へっ!?」





脂汗のためか、自信に溢れているためか、輝きを放つDebu村長と、Busu長老の醜いハテナ顔を尻目に
一時閉幕。。。