DBレジスタンス始動

(これまでのあらすじ(詳しくは11月9日―11日号参照))

某国首相兼独裁者のKOIZUMYの思い付きにより、国会は再編成され、「DBスクエア*」を立案し、テスト実施することとなった。
注:DBスクエアとは。
狙い:①高齢化の歯止め、②地方過疎化の歯止め、③DebuとBusuの減少。
プラン:DBスクエア(下記参照)で地域テストプランとして実施し、改善点を見つけ、全国へと展開する。
場所:某国KYUSHUはSAGA。
DBスクエア住民の種類:KYUSHU中のDebuとBusu
DBスクエア住民の使命:①KYUSHUの全ての経済活動を担う、②性活動の禁止、スクエア外部との情報・連絡・往来の禁止。
KYUSHU民の種類:KYUSHU中の非Debuと非Busu
KYUSHU民に与えられる特権:経済活動を行わなくても充分すぎるほどの生活の質(=甘い生活

様々な情報コントロールの中、DBスクエア廃止に向け、動くDebu村長。しかし、プランはことごとく失敗し、新プランはBusu市長こと「長老」との協力作業をすることを決意。Busu長老の賛同を得て、いざ新プランの説明をすることとなった。





それでは、「創作系〜DBレジスタンス始動」いざ開幕。。。









「それで?新プランとは何ぞや?はよ説明せい!!」
「ああ。新プランとはな・・・。」
とDebu村長は周りに全く聞こえない声で囁き始める。




「なるほどっ!それは完璧じゃ!!早速、ワシはBusu市に戻って、青年団やその他の市民にそのプランを実施してもらうように伝えてくるぞヨ!」
「ああ。頼んだぞ!!それと、長老・・・。」
「何じゃ?」
「政府を甘く見ないでくれ!何とかプランを成功させようじゃないか!!」
「おお!!」






首相官邸にて。
某国の首相兼独裁者ことKOIZUMYはイライラしながら、部屋をうろつき回っていた。と、足を止め、大声で叫びだす。
「TAIZO!!TAIZOはいないのか!?」
名前を呼ばれて喜ぶ子犬のように、ダッシュでKOIZUMYの元に駆け寄るTAIZO。



「TAIZO、何か面白いことを言え」
「えっ、面白いことっすか?」
「そうじゃ。お前のいつもの馬鹿コメントで我を笑わせてみよ。さすれば金の座布団をプレゼントしてやろうぞ」
「は、ハイ。それでは・・・。」
「早よせんかい!」
「・・・。ダメッス。浮かび上がらないッス。」
「・・・。」







静けさが首相官邸を包み込む。

(駄目だ。俺、クビチョンパ決定だ・・・。)
TAIZOは心に決めた。
孤児であるにも関わらず、若手議員として鳴り物入りした自分。
KOIZUMYチルドレンとして脚光を浴びた自分。
マスコミに面白コメントを吐き続け、スターダムにのし上がった自分。
その後、当時の幹事長に目をつけられ、丸いコメントしか出来なかった自分。
そんな自分の面白さに興味を持ってくれた首相にくっつき、次世代リーダーとして呼ばれるようになった自分。

(グッバイ、俺・・・。)




TAIZOは舌を噛み切る心構えをした。






「ぐわっはははっは」
「へっ・・・?」
「相変わらず面白いのぅ、TAIZOは。コレ、山田君!」
ファンキーなヘアスタイルの執事が音も無く現れる。
「TAIZOに金の座布団1枚じゃっ!」
「はっ」
「あ、ありがとうご・・・。痛ぇ!舌かんじった!」
「ぎゃはははぁぁ。山ちゃん、座布団もう1枚じゃ!」
「はっ」
「はぁ、腹が痛い。AVE!!AVEちゃんはいないのか!?」
「ここにっ!」
とAVE現官房長官が現れた。








「AVE、お主もTAIZOの指導、よくやっておるのぉ」
「はっ。ありがたき幸せ。これ、TAIZO、頭を下げんかいっ!」
「す、スンマセンっす!」
「ヨイヨイ」
「ハハァ!!」
AVEとTAIZOは恐縮した。







「時にAVEちゃん、我が愚息亡き後、我輩の跡継ぎはTAIZOじゃっ!我輩のコミュニケーション能力、言葉の魔術力を引き継ぐのはコヤツしかおらん!ポストKOIZUMY=TAIZOじゃ!!AVEちゃんもそう思うじゃろぅ?」
「はっ!私もそう思います!」
「よしっ!次回の選挙で我輩は引退するぞっ!TAIZO、その後はソチの天下じゃ!分かってるな!」
「へっ?」
頭の回転が他人よりスローなTAIZOは、これまでの会話を聞いていない。






「ぎゃははははは。TAIZOはおもろいのぅ。なぁ、AVEちゃん?」
「はっ」
「よしっ!次回の総選挙までに、我輩の気になっていることを片付けてしまおうではないか。のぅ、AVE?TAIZO?」
「はっ。例の件でございますね?」
「例の件?例の件って何スカ?」
「ガハハハハっ!TAIZOは面白いのう。例の件とは、KYUSHUでやってるDBスクエアのことじゃっ!」
「TAIZO、首相の気になっていることといえばそれ以外何もナイではないか!もっと政治を勉強せい!」
「あぁ。アレのことっすね。確か、結果検証まであと5年と言う・・・」
「そうじゃっ!AVE、その後の進展を申せ」
「はっ!」
とAVEはリモコンのボタンを押した。


ウィーン♪


突如、巨大スクリーンが飛び出し、KOIZUMYは席に着く。AVEのプレゼンが始まった。
「まず、DBスクエアの現状です。生誕から5年を迎え、ようやくKYUSHU全域の暮らしを賄うまで成功しました。5年間でここまでの経済発展は成功の一言といえるかと思います。」
「素晴らしい」
「すっげぇ」
(TAIZOは機材が現れたことに驚きを隠せないでいる)




「また、KYUSHU民については、KYUSHU内の第3セクターを副業として行う者が全KYUSHU民の約1割。まぁ想定範囲内かと」
「ま、することがなくてボランティアでやるもの、痩せるために体を動かす目的でやっているもの、更なる金儲けのためにやっているもの、の3種類じゃろう?想定範囲内じゃ」
「ですよねぇ」
(TAIZOは話についていこうと知ったかぶりをしている)





「KYUSHU民に調査を行なったところ、暮らしの質に関しては、非常に満足していることが分かっています。これらの観点からDBスクエアは成功と言えると思います」
「ふん。そんなこと最初から分かっておったわ!問題点を言え!」
「そうだ!そうだ!」
(TAIZOは何か発言をしなければいけない、と考え、とりあえず野次を飛ばしている)





「問題点としては、DBスクエア内の不満が高まっていることかと。」
「そんなことは想定範囲内じゃ!だからDebu村とBusu市を分けて、情報操作をしているのではないか!」
「はっ。しかし、反逆の狼煙は既に上がっており、色々と反抗してきております。もちろん、鎮火しておりますが。」
「どうせDebu村の卒業生を使用した反逆プランじゃろ?分かりきったことではないか?のぅ、TAIZO?」
「Debuは所詮Debuッスからね」
(TAIZOは本能のままにモノを言っている)






「その通りじゃっ!所詮、DebuはDebu。Debuが痩せたところで「重労働の結果痩せただけ」。つまり、先天的に痩せることができた人間が怠慢で太っていただけ、と思われるだけじゃ!共感は呼ばん!!分かっておるではないか、TAIZO!」
「ありがとございあっす!」
「首相とTAIZOが仰るとおり、KYUSHU民にも、そして全国民にもDebuの叫びは届きません。が、しかし。」
「何じゃ!」
「何だ!・・・ですか?」
(ちょっと調子に乗った自分を戒めるTAIZO)




「Busuの声となれば話は別です。Busuは先天的なもの。Busuからの声には国民も耳を傾けるでしょう。Busu市出身の人間が発言権を持つこと。これが不安材料です」
「ふむ・・・。確かに。TAIZO、どう思う?」
「へっ・・・?そうですねぇ。Busuが発言しないようにすれば良いのでは?」
「ぎゃはっはははは。TAIZOは可愛い顔して恐ろしいことを言うのぅ。『Busuに発言権ナシ』か。面白いのぅ」
「確かに・・・。そこで政府が情報コントロールをして、Busu市の怒りの矛先をDebu村に向けさせています」
「そうじゃ!!ならば問題ナシであろう!」
「いえ、それが・・・。最近、Busu市の長老とDebu村長が影の会合を持ち、Busu市民の活動が鎮火したという噂が」
「何ぃぃいぃ!それは臭いなっ!どうするんじゃ、AVE?」
「どうするんだ?AVE・・・さん?」
「しばらくは様子を見るべき、と。今後何か不安な動きをするようでしたら、手を打っておくべきかと」
「ふむ・・・。そうじゃな。よし、しばらく監視を続けよ!その間、何かしらの手を考えておけ!!TAIZO、それで良いか?」
「はっ!良いかと思います!」
「かしこまりました!!」





翌年。DBスクエアからは何も不穏な動きは無く、KOIZUMYらの懸念は消えつつある中、総選挙が行なわれた。
TAIZOは首相となり、KOIZUMYはG−MIN党の幹事長として一線を引いた(かのように見えたが、KOIZUMYの意見は色濃く政治に反映することは目に見えていた)。AVEは官房長官を継続し、TAIZOのサポートに回ることとなった。その他の顔ぶれもほぼ変わらなかったが、新旧の女性議員が新たに内閣に入った。



まず、古い顔ぶれからは、元首相の娘として、今後の活躍が期待されているMAKIKO。一度はKOIZUMYと仲違いになったが、今回の総選挙では、KOZUMYに詫びを入れ、国民の支持を仰ぎ当選。
新しい顔ぶれからは、元MISS T−大のSATSUKI。「MISSはMISSでもミスのミス」をうたい文句に見事当選。KOIZUMYとTAIZOの笑いの壺に彼女のうたい文句がヒットしただけ、との噂も囁かれている。
そして、「猪突猛進」を座右の銘にしているKUNIKOも当選した。数年前に内閣入りを果たし、見事なドレスでどうでも良い役職についたが、その仕事っぷりが結果を出したところが認められた、と報道された。



MAKIKO,SATSUKI,KUNIKOはTAIZOのリーダーシップの元、DBスクエアを全国展開する役職についた。





が、しかし。
彼女達には裏の使命があった。






そう、実は彼女達。「DBスクエアのBusu市からの脱獄者」という過去を持っているのだ。




そして・・・。




反逆の狼煙は首相官邸から上がった。





一時閉幕。。。