DBからの逆襲

(これまでのあらすじ(詳しくは11月9〜11日&14日号参照))

某国首相兼独裁者のKOIZUMYの思い付きにより、国会は再編成され、「DBスクエア*」を立案し、テスト実施することとなった。
注:DBスクエアの狙い:①高齢化の歯止め、②地方過疎化の歯止め、③DebuとBusuの減少。
プラン:DBスクエア(下記参照)を地域テストで実施し、改善点を見つけ、全国へと展開する。
場所:某国KYUSHUはSAGA。
DBスクエア住民の種類:KYUSHU中のDebuとBusu
DBスクエア住民の使命:①KYUSHUの全ての経済活動を担う、②性活動の禁止、スクエア外部との情報・連絡・往来の禁止。
KYUSHU民の種類:KYUSHU中の非Debuと非Busu
KYUSHU民に与えられる特権:経済活動を行わなくても充分すぎるほどの生活の質(=甘い生活

様々な情報コントロールの中、DBスクエア廃止に向け、活動するDebu村長。しかし、プランはことごとく失敗し、新プランはBusu市長こと「長老」との協力作業をすることを決意。Busu長老の賛同を得て、政府に気づかれないよう隠密に活動を続けた。

政府は、DBスクエアの動きを監視するも、不穏な動きがないため、総選挙に突入。若手議員のTAIZOが首相に、KOIZUMYはG−MIN党の幹事長に、AVEは官房長官に、DBスクエア全国展開担当にMAKIKO(元首相の娘)、SATSUKI(元MISS T−大)、KUNIKO(座右の銘は「猪突猛進」)の3名となった。

しかし、MAKIKO、SATSUKI、KUNIKOは「DBスクエアのBusu市からの脱獄者」という過去を持っていた・・・。





それでは、「創作系〜DBからの逆襲」いざ開幕。。。



首相官邸内首相書斎室にて。
「3人娘を呼んでくれ!!」
TAIZOはG−MIN党幹事長ことKOIZUMYが乗る車椅子を押しながら、張りのある声でMAKIKO、SATSUKI、KUNIKOを呼び出した。
「おいおい、TAIZO.ちょっと張り切りすぎじゃ。頭の上からギャァギャァと」
「はっ。スミマセン。が、幹事長!それでしたら、ワザワザ車椅子に乗らずともいいのでは?別に足腰が悪いわけではあるまいし・・・。」
「ふっ。まだまだ考えが甘いのぅ、TAIZO。「ワシがもう長くない」というイメージを国民に与えぬことには、いつまで経ってもお前に政権を譲れないではないか。じゃから元気ハツラツにも関わらず、老人の振りをしているのじゃ。少しは頭を使え」
「はっ。かしこまりました」
とTAIZOは頭で車イスを押し始めた。



「相変わらず面白いのぅ。TAIZOは。」
「ハッ。お褒め頂き、アリガトウございます!!」
「TAIZO首相!どうかしましたか?」
とAVE官房長官が書斎に入ってくる。




「あ、コレは、幹事長殿。ご機嫌はいかがですか?」
「おぉ、AVE。元気しておったか?」
「は。元気も元気、元気モリモリでございます」
「・・・相変わらずAVEの冗談は笑えんのぅ」
「AVE、少しはギャグの勉強をしたらどうだい?全く・・・。」
「はっ。幹事長や首相の足元に及ばないお寒いギャグ、大変失礼いたしました!時に首相。3人娘を呼んだとか」
「ああ。3人娘が就任し、早1年が経過。全国展開まで残すところ4年を切った。そろそろ全国展開に向けた青写真が見たいと思ったんだ」





「首相、御呼びでしょうか?」
とSATSUKIが入室してくる。
「おお、SATSUKIちゃん、元気じゃッたかね?相変わらずファンキーな髪型だな。さすがMISS T−大だ」
「あら、幹事長!いらっしゃるとは思いませんでしたわ。ご機嫌いかがですか?」
「すこぶるヨイぞ。SATSUKIちゃんに会ったら更に元気モリモリになったぞよ」
「あら、やだわ。幹事長、相変わらず冗談が上手いんだから」





不機嫌そうなAVEの顔を尻目に、TAIZO首相は話を進める。
「SATSUKIさん。他の2名はどこに行ったんだい?」
「本日は、候補地の下見に飛んでおります」
「下見って??」
「ええ。首相、私たちを呼んだということは、今後の展開についての提案の時期、と考えても?」
「ああ。そうなんだ。と言うことは、SATSUKさんIも用意が出来ているようだね?」
「ええ。AVEさん」
「はっ」
とAVEがリモコンのスイッチを押す。





ウィーン♪






例のTVが部屋に出現し、SATSUKIのプレゼンが始まる。
「まず、KOIZUMY幹事長が首相時代に行なってきた地域テストのDBスクエアについて。ご存知の通り、KYUSHU民の生活の質は我が国内1位となっております。一方、DBスクエア内の不満の声も非常に低く、反発の声も聞こえなければ、反乱の兆しもない、と考えられます。当初想定されていた諸問題は全く生じてない、と言い切っても良いと思われます。」
「素晴らしいね」
「完璧じゃな」
「そうですなぁ」
「よって、テスト期間であった10年を待たずに全国展開しても構わないのではないか、と考えられます」
「ふむ」
「全国で展開するに辺り、大規模のDBスクエアを用意しなければいけません。それにはある程度の大きさの土地、そして情報がコントロールできる場所。逃亡が困難な場所を選定する必要があります。現在、MAKIKOさんがHOKKAIDOに、そしてKUNIKOさんがSHIKOKUの下見をしておりまして、どちらかを1週間以内に候補地として絞り込めるかと思います」
「なるほどね」
「さて、テストプランを経験しての改善策ですが、やはりDBスクエアに送られる人材の選考基準の曖昧さ、そしてDBスクエア行き=労働地獄、というイメージが定着していること、かと思います」
「確かにそうだなぁ」
「そこで、全国展開に先駆けて、DBスクエア内での生活のイメージアップ戦略を図ること、そして選考基準を決めること、としたいと思います」
「素晴らしいのぅ、流石SATSUKIちゃんじゃ」



「まず、イメージアップ戦略。これは非常に重要かつ明確な戦略です。現地取材を仕掛け、やらせの番組を放映する。私たち国会議員もDBスクエアの体験生活をしてみる、などの戦略が良いのではないでしょうか?」
「まぁ、選挙活動と同じと考えれば良いのう。明確じゃ」
「次に選考基準を決めることです。コチラなのですが、いくつか案がございます」
「申してみぃ!」



① KYUSHU内のDBスクエア民を基準に政府が選択する方法:彼らと同等もしくはそれ以上のDebuとBusuを選択、
② KYUSHU内のDBスクエア民が選択。自らと同等もしくはそれ以上のDebuとBusuを選択、
③ それ以外の選択基準を新たに設ける。
「TAIZO、お前はどう思うんじゃ?」
「③はメンドクサイですね。そもそもDebuとBusuは主観で決まるものですし」
「確かに。珍しくまともなことを言うのぅ。AVEは?」
「②はありえません。万が一、現DBスクエア民が政府に恨みを持っていたら、私たちが全員選ばれるリスクがございます」
「そうじゃな。では①しかないなぁ」
「幹事長、私たちも①で良いのではないかと思っています。そこでDB民が不足するようであれば、改めて見直す、ということが良いのでは?」
「ふむ・・・。TAIZO、お前が最終決定者じゃ。お前はどう思う?」
「幹事長やAVEさん、SATSUKIさんと同意見です!」
「かしこまりました。最後に、今後の私たち3人の役割分担なのですが、私が総指揮を、MAKIKOさんが実行部隊の総責任者を、そしてKUNIKOさんにはイメージアップ戦略に専念してもらう、ということでよろしいでしょうか?」
「それは3人で決めたことなのかい?」
「ええ」
「AVEさん、何か意見はあるか?」
「いえ。3人で決めたことであれば、それで良いのではないかと思います」
「よし。ではそのようにしよう!!SATSUKIさん、ご苦労だった!」
「はいっ!失礼しますっ!!」






数日後。TAIZO首相は1人、首相官邸内書斎にて読書を行なっていた。本の名前は「20世紀少年」。彼が議員1年目の際、自粛していたとき読んだ唯一の本(漫画)である。



「失礼します」
と書斎に入ってきたのは、HOKKAIDO視察から帰ってきたMAKIKOであった。
「あぁ、MAKIKOさん。お疲れ様。HOKKAIDOは残念だったね」
「いえ。やはり我が国の食料を作るにあたり、天候の面でマイナスであったことは当初より分かっておりましたので。しかも北の国が近いこともあり、DBスクエアには向いていないでしょう」
「で、MAKIKOさんは今日どうしたんだい?何か相談かい?」
「えぇ。実は・・・。私の血がつながった息子のことで・・・」
「息子?確か行方不明になっている、とか言う?」
「えぇ・・・。灯台下暗しとでも言いますか、遂に見つかったんです!!」
「そうか!!それはオメデトウ!!良かったじゃないか!・・・そうだ、G−MIN党全員で祝わなくては!ちょっと待っててくれ。今、幹事長に許可を貰ってくるよ!」
「待ってください、首相!!いえ、TAIZO!!」
「えっ・・・?」







「MAKIKOさん、いくら僕が年下と言えど、一国の首相だぜ?僕を呼び捨てて良いのはKOIZUMY幹事長唯1人だ。ちょっと言葉が過ぎないかい?」
「はっ・・・。スミマセンでした。つ、つい・・・。」
「2度としないでくれよ。全く」
と幹事長に電話をかけようと背を向けるTAIZO首相。





「ゴメンなさいね、TAIZO」
首相は電話を置き、MAKIKOに向かって怒鳴りつけた。
「おいっ!貴様、一体どういうつもりだっ!?1度と言わず、2度3度?貴様、議員をクビにするぞ!」
BOOWYのオンリーユーのアイノテよろしく、3度言ってないことを素無視するMAKIKO。書斎は嫌な沈黙が流れている。





バーンっ!と突然書斎のドアが開き、SATSUKIが入ってくる。





「首相、いえ、TAIZO君。ちょっと落ち着きなさい!」
「SATSUKIさん!君まで僕を君付けで呼んだりして・・・これは一体どういうことだ!?」
「TAIZO、よく聞いて。貴方は私の息子なの!!」
「え・・・。」




「貴方は孤児として育てられた。でも違うの!!本当は私の子供なの!」
「嘘だ、そんな馬鹿な・・・」
「本当よ。嘘だと思うなら、ほら、これがDNA鑑定書よ」
TAIZO首相はSATSUKIが手渡した調書を読み込んだ。・・・間違いない。TAIZOとMAKIKOは血がつながっている。





「MAKIKOさんが俺のお母さん・・・?」
「そうなの・・・。TAIZO、貴方が立派になって嬉しいわ・・・。」
「か、母さん・・・。」
「ちょっと待って、TAIZO君。数十年ぶりの親子再会お涙頂戴物語も良いけど、貴方はもう一つ事実を受け入れなければいけないの。」
「事実・・・?」
「さ、MAKIKOさん」
「ええ。TAIZOや・・・。実はね・・・。お母さんはDBスクエアの逃亡者なの。だから貴方とは生き別れになってしまったの・・・」
「DBスクエアの逃亡者・・・?」
「ええ。何故貴方が政治家になれたのだと思う?貴方のお祖父ちゃんがKOIZUMY幹事長を散々お世話したからよ・・・」
「え・・・!?一体どういうことだい?」
「もう、イライラするわ。私から説明するわ」
とSATSUKIが横から口を出した。




「つまりね、TAIZO君。これはKOIZUMYが仕組んだ大きなカラクリ劇なのよ。KOIZUMYは今では我が国の独裁者と言っても過言ではないでしょう?首相から引いたと見せかけていても、実は影で政治を牛耳っているのは彼。でもね、それだけじゃ彼の欲望は満たされなかった・・・。彼の欲望を満たすこと、それはTANAKA家をアゴで使用すること、そして・・・。」
「え・・・えっ・・・?」
「つまりね。TANAKA元総理大臣に可愛がられて政治家となった幹事長は、MAKIKOさん人気にアヤかって首相にまでなった。で、首相になった途端、MAKIKOさんが目の上のタンコブになった。だから自作自演の仲違い劇を打ったの。MAKIKOさんはマンマとそれに乗っかってしまった。偶然KYUSHUにいたMAKIKOさんは、DBスクエアに送られたの。KOIZUMYは、MAKIKOさんが送られる際、人質を取った。それが貴方」
「・・・」
「でもMAKIKOさんは脱獄した。私たちと共に。そんな私たちをKOIZUMYは入閣させた。そして貴方を首相に当選させた。政界通の人に対しては、表面的には、KOIZUMY幹事長が貴方を政治家にして首相にまでしたから、TANAKA家への恩返しをしたと見える。しかも、MAKIKOさんがDBスクエアに行ったのは・・・この容姿だしねぇ。でも実は仲違いしたから、という位置づけ。そして脱獄してきたのに入閣させているのは、世間体を気にしたこと、自分の監視下に置きたいこと、そしてアゴで使用しているという満足感を味わいたいのよ」
「そんな・・・馬鹿な・・・。」
「TAIZO、幹事長を信じては駄目。彼がTANAKA家への仕返しを完了したら、次は他国へ攻撃するに違いない・・・。良い、TAIZO?DBスクエアを全国展開したら、HONSHUの住民の生活の質は保護される。結果として、政府の支持率は跳ね上がることでしょう。彼らは政府の言いなりになってしまうわ。しかも、彼らは体力が有り余っている。彼らを軍隊化するのは容易なことよ。もちろん、SHIKOKUのDBスクエア民は彼らをサポートする労力として食料などを提供する役割なの。分かる?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!つまり、KOIZUMY幹事長が行いたかったことは、①DBスクエアの地域プランの実施、②TANAKA家への報復、③国民を軍隊化して他国への侵略、ということなのか?」
「そうよ!流石TAIZOね!お祖父ちゃんのように頭の切れが鋭いわ!」
「し、信じられない・・・」
「TAIZO君。貴方が信じられないっていう気持ちを持つことはよく分かるわ。でも、コレは何?」
とDNA鑑定書を見せ付ける。




「そ、それは・・・。」
「よく考えてみて。TAIZO。私たちが嘘をつくメリットはナイわ。それよりも、貴方の決断がこの国の運命を決めるのよ」
「TAIZO君。明日、貴方はKYUSHUのDBスクエアに行って、現地の生活を体験する生放送があったわよね?そこで分かるわ。私たちはここからKOIZUMYさんとTVを見る振りをして、彼の反応を貴方に届けるから。それを見て決めたらどうかしら?」
「そ、そんな・・・。」
「いい、TAIZO。誰も信じないで。この国は彼に牛耳られているんだから」
「じゃぁお休みなさい、TAIZO君」
「お休み、TAIZO」
「お、おやすみ・・・。」




記憶にない母と出会い、それでなくても興奮しているTAIZO。そしてKOIZUMYの恐るべきシナリオを聞き、眠れない夜を過ごすTAIZOを尻目に


一時閉幕。。。