カリスマーズ③新年を迎えて編

「オーナー。明けましておめでとうございます」
某国の首都、東京から産声を上げてから3年目の1月、カリスマーズの美人秘書こと日比野愛はオーナー室をシャナリと開け、そっと口を開けた。

ちなみに本日のお話し、PS2のソフト「サッカーチームを作ろう‘04」(略してサカつく)にまつわるお話しのため、その事情を知っていると面白いかもしれないが、知らない人はいつも通りスルーしていただきたい。本日は、前号から2年経っているため、読み飛ばしコーナーも用意してみた。



それでは、新チーム東京カリスマーズ③新年を迎えて編、いざ開幕。。。

「おぉ、日比野君。明けましてオメデトウ」
と世界を股にかけるカリスマ・オーナー(31)は返答した。
「オーナー。各誌紙で本年のチーム編成についての噂が色々と書かれています。」
「あぁ。まぁ年末は誹謗中傷を書かれたからネェ」
「でも私、オーナーの判断は間違っていないと思います!」
と日比野の顔が赤くしながらも強い口調で言い始めた。
「君の賛同が貰えるのが非常に嬉しいよ。例え世界が僕に背を向けても君だけは僕を応援してくれる。それだけが僕の支えだよ」
「そんな・・・。オーナーが私とチームのビジョンなどを作ってくれたからです!!(参照:12月1日号)だから私は正しいことを行なおうとするオーナーの考えを支えているだけです!」
と日比野は年末の新聞を取り出した。それはカリスマーズの大リストラを誹謗する中身であった。


『トチ狂ったカリスマーズ。年末は大掃除と大リストラで大忙し!』
『悲しみにくれるカリスマーズのベテラン勢!彼らは年を越せるのか?』
『古いものにはサヨナラを!カリスマーズの冷たい交渉の裏側に迫る!』


「こんなの、酷すぎます!!」
と美人秘書の日比野は涙を目に浮かべ、悔しそうに話す。
「いいんだよ、日比野君」
とオーナーは優しくそっと日比野に声をかける。
「え・・・。」
「言わせておけば良い。私たちは共通の目標に向かって突き進んでいるじゃないか」
とオーナーは壁にその視線を向ける。そして日比野もオーナーの視線を追いかけるように壁を見た。そこには

(以下読み飛ばし可のコーナー。12月1日号のコピペ。)

チーム名:東京カリスマーズ
ビジョン:『世界のサッカーファンに夢を与えること』
スローガン:『ベストなチームを目指す果てしなき旅』
定義:ベストなチーム=最も勝利し、利益を上げるチーム
原則:
常に勝つこと
チーム内では「正直」を基本として会話すること
(発足―20年目までの)戦略:
キッズ神戸からのトレードを有効活用
利益性>コンディション系>練習系>人材系に焦点を当てた選択的投資
(トレード関連の戦術)
キッズ神戸で育てた有望架空選手を獲得し長期契約(例:勝浦・横村)
キッズ神戸で出番がなくなってきた引退間近の選手をトレード獲得し、引退イベントを誘導する
(20年目以降の)戦略:
MM(マジックマーシャル)の徹底
戦術:
20代前半のMMプレイヤーの確保。必要に応じてキッズからのトレード(トレードに耐えうるポイント選手の確保が重要)
高原を引退し監督として起用する(15年目くらいから高原獲得。必要に応じてキッズからトレードする)
(40年目以降の)戦略:
パスワーク・連携の徹底でチームプレイで勝利する。
戦術:萩原型で統一する。
監督:無名。資金:75億円。施設:スタジアムレベル3.その他は初期設定。留学先:初期設定。1&7月の遠征先:全て南アフリカダカール用)

フォメコン:ナシ
システム&戦略:3−5−2DVのサイドアタック.要するにこんなフォーメーション:
     FW  FW

SMF     OMF      SMF

     DMF     DMF

 CDC     CDF    CDF

          GK
 


以上読み飛ばし終了。

「そ、そうですよね、オーナー。」
「あぁ。さて、日比野君。君にも今年の陣営を言ってなかったね。これから説明しよう。」
「え・・・?」
「驚くのも無理はナイ。何せトレードは秘密裏に行なわれる行為だからね。」
とオーナーは今年の布陣を机の上に広げた。そこには4年目とは思えないような夢の陣営が書かれていた。


東京カリスマーズの現状(4年目1月)。オーナー:筆者。

以下人物紹介。名前>実名/架空>年齢>レベル(神==>屈指==>完全==>十分充分の順番)>契約状況(何年目―契約年数)>年俸>チームの加入方法

FW(フォワード)
大久保(実名)34歳(神)2−2(7億300万)キッズよりトレード
柳沢(実名)37歳(神)1-2(3億2300万)キッズよりトレード
勝浦(架空)29歳(屈指)1-5(2400万)キッズよりトレード
ベウバル(架空)19歳(充分)2-2(600万)カリスマーズにてルーキードラフト
藤牧(架空)24歳(十分)2-2(700万)カリスマーズにてルーキードラフト
奈良(架空)22歳(充分)1-1(500万)カリスマーズにて今年ドラフト入団

OMF(オフェンシブミッドフィルダー
レドゥー(架空)23歳(完全)2-3(700万円)カリスマーズにてルーキードラフト
グラーフ(架空)36歳(神)1−1(8億2200万円)キッズより今年トレード入団

SMF(サイドミッドフィルダー
三都主(実名)36歳(神)1−1(2億100万)キッズより今年トレード入団
菊端(架空)19歳(充分)1-1(500万)カリスマーズにて今年ドラフト入団
レバートン(架空)23歳(完全)2-3(700万)カリスマーズにてルーキードラフト

DMF(ディフェンシブミッドフィルダー
稲本(実名)31歳(神)1−1(1億8400万)キッズより今年トレード入団
窪山(架空)23歳(十分)1−1(500万)カリスマーズにてルーキードラフト
榎木(架空)21歳(充分)1−1(500万)カリスマーズにて今年ドラフト入団
田崎(架空)19歳(充分)1−1(500万)カリスマーズにて今年ドラフト入団
香川(架空)22歳(充分)(充分)1−1(500万)カリスマーズにて今年ドラフト入団

CDF(セントラルディフェンダー
宮本(実名)39歳(神)1−1(4億4000万)キッズよりトレードし契約延長
森岡(実名)40歳(神)1−1(3億8200万)キッズよりトレードし契約延長
バウアー(架空)36歳(神)1−1(9億9200万)キッズより今年トレード入団
大幡(架空)24歳(充分)2-2(700万)カリスマーズにてルーキードラフト
牧田(架空)21歳(充分)1-1(500万)カリスマーズにて今年ドラフト入団
箕浦(架空)19歳(充分)1-1(500万)カリスマーズにて今年ドラフト入団

GK(ゴールキーパー
横村(架空)33歳(屈指)3−5(3700万)キッズよりトレード
川内(架空)19歳(充分)1-1(500万)カリスマーズにて今年ドラフト入団
飯田(架空)21歳(十分)2-2(600万)カリスマーズにてルーキードラフト

合計25名(外人枠5名)。
「こ、これは・・・」
「そうだよ」
とオーナーはニヤリと笑った。
「まだこの陣営は報道されていない。が、この陣営が報道されれば・・・」
「メディアは昨年の報道から手のひらを返したように好意的な報道をすることになるでしょうっ!」
「そうだ。4年目のチームにも関わらず、8名の神クラスのスタメン。屈指が2名。そして最低でも「世界で十分」クラスが1名・・・」
「全試合リセットナシで勝てますね!」
「そうだ。一体どこのクラブに4年目で神クラスのバウアーとグラーフを保有しているチームがあるというんだ?」
「さすがです!!・・・ただ」
「何だね?」
「来年以降のチームが心配です・・・。」
「鋭いね」
「ありがとうございます・・・。この数年間の世代交代のプランを伺ってもいいですか?」
「ふむ・・・。では謹んで」
とオーナーは颯爽と腰を上げ、パソコンをスクリーンに映し出した。

「まず、GK。ここは横村川内で行く。」
「ハイ」
「次にCDF.バウアー、森岡、宮本の連携最悪トリオ箕浦、大幡、牧田となっている」
「質問です、オーナー」
「そう来るだろうと思った。が、全て話し終わってからにしてもらっていいか?」
「ハイ、スミマセンでした」
「DMFは問題がある。SMFは三都主菊端、レバートンが若いのでレバートンで行く」
「・・・」
「OMFはグラーフレドゥー。FWは大久保、柳勝浦&未定だ」
「オーナー、よろしいですか?」
「あぁ」
「CDFとDMFが非常に問題があるかと。そしてFWも未定が不安です」
「ふっ。そうくると思ったよ。既に策は打ってある。」
「策・・・?」
「あぁ。このチームの戦略を忘れたかね?」
とオーナーは壁に目を向ける。そこには
(発足―20年目までの)戦略:
キッズ神戸からのトレードを有効活用
利益性>コンディション系>練習系>人材系に焦点を当てた選択的投資
(トレード関連の戦術)
キッズ神戸で育てた有望架空選手を獲得し長期契約(例:勝浦・横村)
キッズ神戸で出番がなくなってきた引退間近の選手をトレード獲得し、引退イベントを誘導する



と書いてあった。
「お、オーナー!!」
「そうさ。まず、キッズのCDFには既に井畠、そして長尾が入団済みだ。キッズにはリバプールというCDFに有望な留学先もあることだし、キッズが数年動けば井畠と長尾という有望で格安の架空選手が入団してくる」
「なるほど・・・」
「キッズのDMFには名波(神、34歳)が存在する。彼は毎年稲本とトレードを繰り返すことで1-2億円クラスのDMFをキッズの資産で雇おうと思っている。また、キッズには架空選手最強のDMFこと与田(普通に育てれば屈指までは行く)が新人で入団した。井畠、長尾と共にトレードされてくることであろう。」
「稲本>名波トレードと与田の育成でDMFのポジションは完全ですね」
「SMFには問題がない。OMFも問題はナイように見えるがプレスタを保有しないレドゥが外人枠を使用してしまうため、念のためキッズには架空日本人最強OMFと噂される野村を入れてある。岩城型でカネクレ君との噂もあるが、一応念のためだ。」
「用意周到ですね」
「そしてFW枠。年末には大久保の契約が切れるし、翌年度には柳沢の契約も切れる。屈指の勝浦はどうせ屈指止まりだろうから、大型の選手が必要だ。ここにはキッズのエレとルンゲを考えている。バウアーとグラーフが今年を戦いきった瞬間にトレードする予定だ。キッズにはギールという最強のスカウトを採用している。ちなみにこのギール君、実はエレ・ルンゲ・バウアーの固有スカウトという顔も持つ。エレ・ルンゲ<==>バウアー・グラーフのトレードを終了した瞬間にキッズではバウアーを解雇し蘇生を狙うであろう」
「でもそれではエレ・ルンゲという10億クラスの選手の契約が・・・」
「よく考えているね。が、私の考えはもっと深い。実はキッズには中山ゴンというロートルが格安年俸でベンチを暖めていること、そして臼居という若手有望ストライカーも格安年俸で採用されている。この2名のトレードを行なうことで、将来は安泰だ」
「なるほど・・・。全ては順調ですね」
「と思うだろ?しかし、私は根本から見つめなおした」
「根本・・・?」


「あぁ。なぜカリスマーズが誕生したのか、という根本さ。」
「え・・・?」
「当初私は『キッズでの燃えつき症候群』に悩まされていた。そこで、新チームを立ち上げ、キッズを有効活用することを目的とした。が、しかし。上記のようなプランは果たして本当にキッズを有効活用していると言えるのであろうか?」
「と言いますと?」
「私がキッズでトレード用として用意している架空選手はスーパーAクラスではない。日比野君、ここで言うスーパーAクラスとは河本鬼、立浪、川内などの超大物をルーキーで獲得することを指している。よって・・・」
とオーナーは一呼吸を置き、口を開いた


「私はカリスマーズの選手を全てAクラス、ないしはスーパーAクラスの人間で埋め尽くすまでキッズを運営することにする!」
「え・・・?」
「説明しよう。最高の成功例は戦略にも書かれているとおり、勝浦や横村なんだ」
「勝浦さん・・・?」
「そう。例えば勝浦の場合、キッズでルーキーとして採用され、徹底的に鍛え上げられ、屈指クラスまで上り詰めた後、年俸900万でカリスマーズへトレードされた。カリスマーズで立派にスタメンとして働き、翌年度は5年契約で2400万円となった。彼のクラスではありえない安年俸だ。こういったケースを増やそうと思っている。その候補生が井畠、長尾、与田なんだ。もちろん、彼らはAクラスであってスーパーAクラスではない。屈指レベルで止まってしまうであろう。が、これはOKとする。よってここに新しく戦略を書き込まなければいけない!!」
「オーナー!!それは私にやらせてくださいっ!」
といつものオーナー節に感動した日比野は新戦略を戦略欄の一番下に書き込んだ。


(発足―20年目までの)戦略:
キッズ神戸からのトレードを有効活用
利益性>コンディション系>練習系>人材系に焦点を当てた選択的投資
(トレード関連の戦術)
キッズ神戸で育てた有望架空選手を獲得し長期契約(例:勝浦・横村)
キッズ神戸で出番がなくなってきた引退間近の選手をトレード獲得し、引退イベントを誘導する
キッズ神戸からの有望架空選手とはAクラスを定義し、彼らでスタメンを埋め尽くす(期限:5年目までに)


「その通りだ!!」
「オーナー!今年を年末まで進めたら、その後は・・・。しばらくはお別れってことですよね・・・?」
「そうかもしれない。が、心配しないで欲しい。私はいつでも側にいる。君が私のことをサポートしてくれている限り・・・。」
「オーナー・・・」

と美人秘書こと日比野は「シャッ♪」とオーナー室の窓のブラインドを閉めた。カメラはブラインドの外からオーナー室を映しこみながらフェードアウトをしていく。


一方、別次元でゲームが動いているキッズ神戸の番記者達は騒いでいた。
「宅さん!聞きました?」
「何がジャね?」
「いや、キッズに新しい秘書が採用されたそうっすよ」
「ほぉ。誰のことかね?」
「このコっすわ」
と新人らしき記者は「秘書交代」のプレスリリースに貼ってある写真を見て思わず唾を飲み込んだ。
プレスリリースのヘッドラインには
「キッズ神戸の第7代秘書誕生〜日比野愛〜」
と書かれていた。


一時閉幕。。。