〜四月になれば彼女は〜
世界を股にかけるカリスマ・ストーリー・クリエーターこと筆者に出会いが待ち受けている。それも年の瀬迫る明日の話だ。
明日の出逢いは、世界を股にかけるカリスマ・コケコッコこと3歩歩いたら記憶を失う男、サカツク系の番記者のモデルでもある、通称「宅さん(仮名)」)や世界を股にかけるカリスマSE(自称サッカーの柳沢に激似)、某TV局に勤めるノアモフェ、体に1滴の血も流れていない非人間などの学生時代の仲間連中とその肉体関係者連中である(その他だれが来るのかはよく分かっていない)。
ちなみにカリスマSEのブログはコチラ(SE殿、リンクを貼る場所です!!)
年の瀬に皆で集まれる・・・。昨日の電話にて、「もしもし?」、「よぉ、俺俺!元気してた?」などの無駄な会話を一切せず、本題のみを話した後、電話を叩き切ろうとした筆者に対し、「じゃぁ明日ね。お休み(ハート)」などという戯けた言葉を吐いた非人間。
「人とは変わるもの」
と筆者は改めて思ってしまった。
そんなこんなでまたもやキャラメルボックス創作系を執筆するハメになってしまった。さて、このキャラメルボックス創作系の縛りとは:
① このカテゴリーを書く際は、宅さんやカリスマSEなどの学生時代の仲間連中と会うことが決まり、意気揚々としているときに書く、
② 大好きな劇団(キャラメルボックス)の演目名を拝借し、全く別の物語を書く
③ 想像と妄想で考えずに執筆
となっている。いつも通り、キャラメルボックスファンの方以外には楽しさが全く分からない創作系であるとともに、ファンの方の怒りを買わないように気をつけているのだが、もし仮にお怒りを喰らったとしても、あえなくスルーするので、そこんとこはご了承頂きたい。
今回の演目名は「4月になれば彼女は」。詳しいリンクはコチラ。
http://www.caramelbox.com/stage/index.html
ちなみにこの演目は筆者の愛する演目トップ3に入る名作である。母娘の会話が上手く成立せず、誤解したまま時を重ねていく家族の感動的ストーリー。予想では5年以内に再演するであろうから、是非とも筆者ブログの読者には行って見て欲しいものである。
それでは『キャラメルボックス創作系:〜4月になれば彼女は〜』いざ開幕。。。
「コンコンっ」
大学の春休みが終わりを告げようとしていた頃。俺のアパートの部屋のドアが優しくノックされた。
冬休みに帰省した後、幼馴染の美姫(ミキ、18歳)は、俺の大学を第一志望校にしたらしい。
何でも美姫の両親は美姫と離れて暮らすことに反対。「田舎暮らしには飽きた」「東京に住んでみたい」という美姫とご両親は毎晩大喧嘩だったそうだ。結局、ご両親からの提案で「竜馬ちゃんがいる大学なら」と言うことを条件に俺の大学が第一志望となったそうだ。まぁ俺の両親から聞いた話だからどこまで本当だかは分からないけれども。
この間、俺も勉強に励み、取りあえず試験を乗り越え、留年することなく2年生になった。春休みを迎え、昼は所属サークルの新入生勧誘活動の打ち合わせ(と言う名の集い)、夜はコンビニバイトという春休みだった。
そして。
先日、美姫が突然俺の携帯に電話を入れてきた。何でも翌日の合格発表代わりに見に来て欲しい、とのこと。確かに毎日のように学校には行っているので、それ位は構わないが、折角だから見に来れば良いのに、という俺の誘いを断ってきた。何でも不合格かもしれないのでワザワザ見に行くのはメンドクサイ、とのこと。
正直言って、幼馴染の、しかも大好きな人の合格発表を見ることが一番辛い。合格であれば喜んで知らせることができるが、不合格であったときの会話は想像しただけで気が重い。
そんな中、掲示板を見に行く俺。
「あった・・・」
喜びが湧き上がり、自然と言葉が出てきた。
その後の電話では、美姫やご両親、何と俺の両親まで電話に出てくる始末。まぁ、仲良し近所が全員で喜んでいる証拠だろう。
その後の休みは散々だった。いよいよ新入生が入ってくるということもあって、サークルの勧誘活動が活発になってきた。バイトの先輩も就職関連で辞めることになり、しわ寄せが一気に俺のところに来た。
心のより所は、毎日掲示板を通る度に見かける彼女の受験番号。
癒してくれるのは、呪文のように唱えられる彼女のマジックナンバー。
「4月になれば彼女は・・・」
そんな思いを胸に、俺は日々のサークル活動とバイト生活を乗りこなしてきた。
美姫がいよいよ東京に来る。そう実感したのは、美姫のアパートを探す手伝いをするようになってからだ。と、言っても、ご両親と共に上京してきて、俺を不動産屋みたいに扱い、アッチコッチとマンションやアパートに連れまわされたのだが。結局、俺のアパートから歩いて2分の場所に決まるまで3日間も付き合わされた・・・。
もちろん、引越し準備も手伝わされる羽目に。昨日は荷物運び、今日は家具の買い物。美姫のご両親を駅まで送り、美姫はご両親から貰ったお金で今夜はご馳走してくれるそうだ。どうせ明日は電気器具の設置やら何やらでこき使われるに違いない。
取りあえずちょっとお洒落なところに夕飯を食べに行こう、と自然に決まった。一度、それぞれの部屋に戻り着替えた後、俺の部屋に来ることになっていた。
あの冬休み以来、初めて、そして親の目から離れて過ごす、二人だけの時間。
大学生という、大人と子供の中間に差し掛かった二人。
今は違う部屋で住んでるけども、将来的にはどちらかの部屋に居ついたりするかもしれない関係。
そんな二人の新しいスタートを切るかのようなちょっとお洒落な晩御飯。
「コンコンっ!!」
ヤバイ・・・。先ほどの優しいノックの音から妄想の世界に入っていたらしい。今度のノックはちょっとイライラしている感じがする。・・・俺は何秒くらい妄想の世界に入っていたのだろう?美姫を迎え入れるため、俺は急いで部屋のドアを開けた。
ガチャ♪
「いらっしゃい」
・・・。
誰ですか、このコ汚い珍獣は?
なぜ俺の部屋の前に立っているのですか?
なぜそんなに洗剤を持ち歩いているのですか?
「おぅ、兄ちゃん、新聞何読んでんのや?」
美姫とは似ても似つかないコ汚い珍獣を尻目に
一時閉幕。。。