VS暴君

時は性暦2005年の暮れ、世界を股にかけるカリスマ・ファイターこと筆者に年末が近づいていた。
カリスマ・ファイターにとって年末とはその年を振り返る時期ではなく、「打倒紅白」を合言葉に戦わなければならないタイミングでしかない。ブッチャけた話、筆者にもプライドやらK−1やらからオファーは舞い込んで来ていた。


今年はAKEBONOでも軽くヒネルか、と思っていた矢先、カリスマのスケジュール調整を図っているジャーマネが全てのオファーをデクラインした。よってこの年末、筆者は、自宅で静養を図ることとなった。


坊主がガツンガツンと街中を忙しなく走り回る中、筆者は走馬灯のように05年のバトルを振り返り、その血まみれの体を清めるため、入浴することにした。


が、ここで筆者に挑戦してきた暴君がいた。




そう、そいつの名前は「暴君ハバネロ」。




その時、筆者は、風呂を沸かしながら入浴中に食すものを探すために台所を漁っていた。とそこへ。

戸棚を開けると、勢い良く「コロン♪」と転がってきた暴君。そう、それはハ○ス食品が新製品として世の中に発売した1本45g相当のハバネロの唐辛子(正式名称:唐がらし族 大辛唐辛子。より親しみの持てる容器にたっぷり入った、手軽な調味料として使える大辛の唐辛子。辛味の強いハバネロを加えてあるので刺激的な辛さが特徴。詳しくはコチラ:http://housefoods.jp/products/catalog/index.php?cat=1,1032,1033,1225)。奴は果敢にも筆者に勝負を挑んできた。



暴君:やいっ!筆者!!入浴中に間食とは、良いご身分だな。
筆者:おっ、誰かと思えば「料理界のデストロイヤー」こと暴君ハバではないか
暴君:てめぇ、俺を滅多につかわねぇじゃねぇか。どういう了見でぇ!?
筆者:だって、君、全ての味を壊しちゃうんだもん。
暴君:なにおぉぉ!
ハバネロの顔は更に赤くなった。どうやら怒っているらしい。



暴君:勝負だっ!
筆者:ほう。
暴君:俺を風呂に入れてみろ!



そして筆者と暴君はバトルのルールに合意した。



ルール:
お風呂の温度:40度
使用するハバネロの量:45g(つまり1本丸ごと)
勝敗の決め方:肩までつかり、5分間耐え切れれば筆者の勝ち。5分以内にギブなら暴君の勝ち。



筆者:5分?チョロスギるぜ。
といつもは10分以上湯船につかる習性を持つカリスマは颯爽と服を脱ぐ。



ガバっ!



セクシーかつスリムな肉体美が現れた。
そう、筆者はゴルフのため肉体改造に成功し、身長175cm、体重63kg、対脂肪率1%という超人と化したのだ。
ちなみにこの1%とは、髪の毛を含む体毛、皮膚、まとっているカリスマ的な空気などを含めて1%になってしまうのだ。人間としてはアリエナイ肉体美を思い浮かべていただきたい。それが筆者の肉体なのだ。


唯一たるんでいる皮膚と言えば○袋や肛○などのシワシワの部分でしかないのだ。



カーン!
筆者宅の浴槽にて初夜の鐘を連想させるようなゴングが鳴り響いた。



ザブンっ♪



と筆者は膝下まで入浴し、「余裕だぜ」と言葉を発する筆者。
次の瞬間。





ハックション(こん畜生め)!!



と大きなクシャミをする筆者。


そう、唐辛子の強いニオイが筆者の鼻孔を攻めてくる。



暴君:マダマダだぜぇ、それもう一丁!
筆者:ハックション!
暴君:ヘイヘイ、肩をつけてから5分だぜ!まだ時計の針は動いてないぜ!!
筆者:何おぉぉ
暴君:ヘイヘイ、カリスマさんよ。鼻提灯できてまっせ!
筆者:何っ!?




と鏡を見る筆者。そう、とてつもなく強い唐辛子臭をオビタ筆者の鼻孔は、「そうはさせじ」と鼻水を大量に放出。あまりの重さに耐え切れなくなった筆者の鼻からは鼻風船ができていたのだ(マジ話)。




筆者:ふんっ!


と自らを奮い立たせ、腰まで湯船につかる事にした。



ツーン。

唐辛子臭が激しくなってくる。
筆者の目からは涙が。
筆者の鼻からはおびただしい量の鼻水が。
筆者のオデコからはアリエナイ量の汗が。


筆者:グヌァ!


筆者は一度湯船から立ち上がる。



暴君:ヘイヘイヘイ。どうしたんだい、カリスマさんよ。まだ時計の針は動いていないぜぇ?
筆者:うるせぇ。今のは軽いウォーミングアップ中だ!
暴君:へぇ、そうかい?
筆者:グヌ・・・?




筆者の下腹部から凄まじい痛みが発生した。筆者はその目線を世の中の女性が憧れて止まないその股間へと動かした。





いない・・・。




そう、筆者の可愛い子供、亀タンが姿を消しているのだ。変わりに10歳くらいから会ったことがなかった象タンと再会した。・・・傷みと共に。



そう、筆者の亀タンは、暴君が与えた「カプサイシンアタック」により、ダメージを受け、防御体制へと入った。そのため、その雄雄しい頭を甲羅の中に入れてしまったのだ。正に、捨て身の防御策である。そして、従来では考えられないサイズへと縮小し、象タンへと変化したのである。



が、しかし。



亀タンを追いかけるかのように暴君は亀タンの頭に付きまとい、一緒に甲羅の中に入っていったのだ。


甲羅の中。
それは、ちょびっとイカスメルな密室空間。
密室の空間で暴君は必殺カプサイシンアタックを繰り出し、亀タンを虫の息にしたのだ。





暴君:ヘイヘイヘイ。まだまだだぜ。次はお前のお袋さんをやってやるよ。
筆者:何っ!!この戦いに母は関係ない!放っておいてくれ!
暴君:そっちのお袋さんじゃねぇーよ。
筆者:まさか・・・。
暴君:そのまさかだよ!!
筆者:グワっ!!





通常は狸の置物のように筆者にぶら下がっている大きな玉2ヶを包み込む、筆者の袋。



が、しかし。




余りの唐辛子臭に精神的にダメージを受けている筆者の心境を受け、この袋も縮こまっていた。
軽く付着しているだけでもピリピリとアタックしてくる暴君ハバネロカプサイシンが縮こまった袋の皮と皮の間で摩擦され、強烈な「すり潰しアタック」を繰り広げていく。


「すり潰しアタック」を喰らった筆者の袋は更に縮こまる。
すると更に摩擦現象が生じ、次世代の「すり潰しアタック」を喰らうこととなる。
下り坂の人生とは正にこのことなのか・・・。



精神的、そして肉体的なダメージを受けている筆者に暴君ハバネロは攻撃の手を緩めない。



暴君:へいへいへい!オードブル、スープと来て、メインを食べずに帰るのは、当店のアンチマナーでございやすよ!!ほら、メインだ!!喰らってみな!
筆者:何!?・・・ぐおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!




亀タン頭、お袋さんと来て、筆者は更に下半身に攻撃を喰らった。そう、それは体脂肪1%の肉体美を誇るカリスマの皮が凝縮している箇所、そう、肛○。




既に亀タン、お袋さんと攻撃を受けていた筆者は、知らず知らずのうちに下半身に力を入れていたらしい。
よって、ケツ筋をグッと踏みしめていたのだ。グッと。
が、○門の周りには既に奴らが潜んでいた。


そう、お湯に溶けたと見せかけて、実は溶け切れていない暴君の分身。


ケツ筋をグッと踏みしめていたときに肛○の周りにいた分身たちは、一気に押しつぶされてしまった。
まるで朝の2回目のチャイムがなり、校門がしまっている時に駆け込んできた悪ガキ大将「あの日の番長」のように。



分身たちは、いつものように摩擦され、すり潰され、カプサイシンを放つ。
亀タン、お袋さんに続き、校門さんもカプサイシンアタックを喰らった筆者。
すでにグロッキー状態。
肉体だけでなく、精神が刈り取られてしまっている。
足はフラフラである。まるで生まれたばかりのバンビか、年末に浮かれて飲みすぎた千鳥足のように。




筆者:グハッ
筆者は浴槽でダウンした。



暴君:カウント取るぜ?ワンツー・・・。
筆者:グハァっ!
筆者は立ち上がった。
ダウンカウントが悔しかったからではない。
むしろハバネロまみれの亀タンとお袋、そして校門さんにハバネロを追加注文してしまったからである。



筆者:もう、ポックンの負けでいいです・・・。

筆者は下半身に真水をかけながら、暴君に謝罪を述べる。


暴君:ヘイヘイヘイ。カリスマさんよ。オードブル、スープ、メインときて当店のデザートを召し上がらないつもりかい?
筆者:マジ勘弁してください・・・。
筆者は涙ながらに暴君に頼み込んでいる。


暴君:ヘイヘイ。昨日の友は今日の敵っていうじゃねぇか。ほら、気がつかないかい?
筆者:え・・・?
そう、真水まみれで体を洗い流した筆者の体はポカポカしているのだ。


暴君:お後がよろしいようで?
筆者:ハバネロ君・・・。
暴君:なっ?今後、俺を風呂桶に入れるなんてことはしないで、口の中に入れてくれよ?
筆者:あ、あぁ。ハバネロ君・・・。足がポカポカしているよ。亀、袋、校門は痛いけどね・・・。






筆者VS暴君ハバネロ
0勝1敗なり。。。




こんな思い、2度とするもんか、と思いつつ
一時閉幕。。。