オレ様VSチビ(番外編)ファイナルラウンド

このシリーズは1月23日号、24日号、30日号、31日号、2月6日号と長く続いている物である。1月30日号にゴングがなり、華々しくラウンド1が、そして2月6日号にて第2ラウンドが終了した。
ラウンド1ではオレ様(筆者の男友達)の100ポイントの先制攻撃が出したが、チビ(筆者の女友達)は30ポイントのダメージしか受けなかった。ラウンド2では攻守交替し、チビが攻撃・オレ様が防御のターンであった。チビはMのため、攻撃力3ポイントの攻撃しかできなかったが、オレ様はおもむろに3ポイントのダメージを受けた(防御力皆無のため)。が、しかし。オレ様は勝手に暴れ始め、四方八方に攻撃をした。
第1ラウンドからの累計結果、オレ様ダメージポイント3、チビのダメージポイント40、カーコ(司会者)ダメージポイント1100、筆者(レフリー)ダメージポイント22,000となっている。





















これまでのラウンドがセピア色の走馬灯のように目に浮かぶ。
「え・・・、このシリーズってお前(筆者)が腹減らしているシリーズだろ?(魔人ブー談)」
「お前にこの書き方合ってないヨネ(ドクトル談)」
「本当にオレ様はあんなこと言ったの?・・・変わんないね(妻と呼ばれる女性談)」
「あんたの空想と妄想の世界じゃん(チビ談)」
「あたしベカベカ携帯使ってないし(カーコ談)」
「オレはどこへ行ってもオレであり続ける!(オレ様談)」




















そんな論議をかもし出した大好評シリーズ、バトル系「オレ様VSチビ」ファイナルラウンド、いざ開幕。。。。

















カーン!
1分間のインターバルの後、ファイナルラウンドのゴングは鳴り響いた。
今回のラウンドはルール無用、酒池肉林のファイナルラウンドだ。
おもむろにニュートラルコーナーの床が開き、様々な武器がリングの上に出てきた。
獣の槍(とら付き)
デスノートリューク付き)
あるるかん(しろがね付き)
イグナイト(SHINGO付き)
ヌンチャク(チャック・ウィルソン付き)



























高まる歓声。
固唾を呑み、見守るカーコ。
翌日の飛行機の時間をベカベカと携帯で調べている。
帰りの新幹線の時間が気になる筆者。
延長戦に入ったら東京宿泊決定だ。
筆者の帰宅を首を長くして待っている妻と呼ばれる女性への言い訳を模索中だ。





























まずオレ様が武器を吟味した。
オレ様が手にした武器はイグナイト。
世界を股にかけるカリスマ・スポーツブランドことナイキがタイガーウッズやSHINGOをうならせたドライバーだ。
ちなみにハンデキャップシングル直前という踊り場でランバダ中の筆者も使用しているカリスマ・ウェポンだ。
華麗なるフォーム、でかすぎるほどのヘッド。そのしなやかで大胆な飛距離。
何をとっても超一流だ。
ぶっちゃケタ話、筆者の周りの取り巻きどもも使用しているクラブだが、使いこなせていないのが現実だ。
イグナイト=ウッズ&SHIGO&筆者のために作られたカリスマ・ウェポン。
それがイグナイト。
























「彼は見た目はいけてないけど、見る目はあるアルネ・・・」
カーコはオレ様を見直した。
と同時にママに報告中の携帯メールを見直した。
(「ある」が2つ並んじゃった・・・)
書き直そうと思ったが、カーコはそのまま送信した。
ママなら分かってくれる。
私が中国人の振りをしていることを。
ママなら分かってくれる。
この濃い登場キャラの中で私が一番薄いことを・・・。





















「おーっと、イグナイトを選ぶのか?なかなか見る目がある男、それがオレ様!!・・・筆者さん、どう思います?」
キャラを出すことに必死なカーコはおもむろに筆者に語りかけた。



















彼女のキャラ作りに乗せられてはいけない。
乗ったら最後、ユーキャント スタップ。
筆者はポケットにはいっていたプリングルズを食べながら、カーコの言葉をスルーした。
「GABANも良いけど、プリングルズも良いよね」と独り言をかみ締めながらスルーした。
2度と会わない人だと知っていたからスルーした。




















「こんな物、オレはいらん!」
オレ様はイグナイトを放り投げた。
18番ホールが終わると、彼にしか見えない観客に向かってボールを投げる。
そんなオレ様流の投げ方でイグナイトを放り投げた。
東京ドームは揺れた。
今、明らかになった、会場の東京ドームが揺れた。
観客の怒号の中に、S席に座っていたナイキのCEOも激怒した。
「奴は分かってない!」
ナイキのCEOは怒り狂ったが、その声も会場の怒号にかき消された。














そんな中。




















もう一方のニュートラルコーナーで武器を物色していたチビの目が釘付けだ。
彼女の視線の先には、ヌンチャクのおまけのチャック・ウィルソンに釘付けだ。
そう、彼女は特殊な性癖を持つ。
それは、「抱きしめても背中に手が届かないほどの巨体好き」なのだ。
チャックに飛びつきたい。
そんな性癖と妄想が彼女を縛りつける。
チビはリングで硬直状態になっていた。
















そんな中。
























テーブルの上には焼きおにぎりが3ケ到着した。
イグナイトを放り投げ、会場の怒号に酔いしれるオレ様。
もう一度イグナイトを拾い上げ、投げつけようと必死だ。
チャックに首ったけのチビ。
「私にはチャックしかいない・・・」と新たな妄想ゲームに熱中している。
新たなキャラクターに挑戦中のカーコ。
「ママからの返事がない・・・」とママにブロークンハートだ。
プリングルズしか食べていない空腹の筆者。
「貰ったぜ・・・。」筆者は、そう呟いた。





















筆者はおもむろにつかんだ。
これまでにナイ速さでつかんだ。
夢と希望をつかんだその手で焼きおにぎりをつかんだ。
プリングルズ臭を撒き散らしながら、筆者は焼きおにぎりをつかんだ。

















「ちょ・・・。次はアンタの自己紹介でショ?」
とチビとオレ様は訴えた。

























そう、実は男女比2対2のプチ合コンとも言える本日の場。
マイクロフォンは筆者の手にゆだねられた。
本日の飲み会の時間、90分。
オレ様の自己紹介30分。
チビの自己紹介(むしろオレ様の横槍)30分。
残る時間は30分。
自己紹介を終えていないキャラクターは筆者とカーコの2名。
テーブルはシメの料理こと焼きおにぎり3つ。
筆者の手にはマイクロフォン。
誰もが予想できる展開こと「自己紹介中、焼きおにぎりをパクつく」は目に見えている。
どんなにカリスマなマイクロフォンスキルを使っても、奴らは焼きおにぎりをパクつくであろう。
どんなにギャグをぶちかましても、奴らは焼きおにぎりを噴き出さないことだけに注力するであろう。


















「くっ・・・。」
筆者は人知れず泣いた。
誰にもばれないように泣いた。
筆者の涙に心を動かされる東京ドームの観客。
ドームが泣いた。
水道橋が泣いた。





















「えっと、オレ、筆者ね・・・」
と筆者は重くて硬い口を開いた。





















カーコはベカベカとママに携帯で報告していた。
「ママ、ママ、何で答えてくれないの?」と携帯でママに聞いていた。
絵文字を乱発しながら、聞いていた。
涙をかみ締めながら、聞いていた。
ハンケチをかみ締めがら、聞いていた。
焼きおにぎりをかみ締めながら、聞いていた。
















チビはチャックを見つめていた。
チャックの胸元を見つめていた。
チャックの胸毛の数を数えていた。
「金髪の男性の胸毛も金髪」
当たり前のことを再認識しながらチャックの胸毛を数えていた。
焼きおにぎりをムシャつきながら、チャックの胸毛を数えていた。

























オレ様は酔いしれていた。
観客の怒号をファンの歓声と勘違いしながら酔いしれていた。
「今夜の酒はいい酒だ」と意味不明な言葉を吐きながら酔いしれていた。
イグナイトを拾っては投げ、投げては拾いながら酔いしれていた。
イグナイトを投げるのは飽きたので、焼きおにぎりを拾っては投げながら酔いしれていた。

















テーブルの上の焼きおにぎりは3ケ。
筆者はマイクロフォンを手にしながら自己紹介中。
奴らは聞いていなかった。





















「ってか、筆者の自己紹介いらないよ」
アリエナイ言葉が会場をコダマした。
















確かに、オレ様は筆者のことを知っている。
ゴルフ合宿で筆者がパンツ一丁で寝ることを知っている。
筆者が寝ると、パンツ一丁で開脚することを知っている。
筆者が寝ると、稲荷が見えることを知っている。
筆者の稲荷を何度も見た男。それがオレ様。
確かにオレ様にとって筆者の自己紹介はイラナイかもしれない。
















確かにチビは筆者のことを知っている。
大学時代からの腐れ縁だ。
カリスマこと筆者を追い続けたから知っている。
何度も実家までストーキングしたから知っている。
確かにチビにとって筆者の自己紹介はイラナイかもしれない。





















「ってか、筆者の自己紹介いらないよ」
カーコは2度目の言葉を口にした。
芸がない女、カーコは同じ言葉を2回も口にした。
焼きおにぎりの最後の一口を口にしながら口にした。
























「・・・you what?」
筆者は思わずブリティッシュ・アクセントで聞いてみた。
ベッカムも憧れるブリティッシュ・アクセントで質問した。
「だって、筆者君のことはチビから聞いてるもん」
カーコはベカベカと携帯を打ちながら、言い出した。
















(お前ごときがクン付けして良い存在ではねーんだよ)
筆者は思わず、ノートを手にした。
デスノートを手にした。
死神リュークが見えた。
が、筆者はリュークを素無視した。
筆者はノートに名前を書き込んだ。
「カーコ」とだけ書いた。
40秒後、彼女は心臓マヒでお陀仏だ。
筆者は口を閉じ、心の中でカウントダウンを始めた。



















「あれ?筆者クン、終わったの?じゃぁ私ね」
とカーコがマイクを手にし、自己紹介を始めた。
「名前はカーコです」と、彼女はイケテナイ自己紹介を始めた。
1秒ずつ心の中でカウントダウンする筆者。
焼きおにぎりを拾っては(見えない観客に)投げ、自分に酔うオレ様。
チャックの胸毛を再確認のため、数え始めるチビ。





















「39・・・。40!!アディオス、カーコ」
筆者はブリティッシュアクセントで初対面の女性に別れを告げた。
が、しかし。























カーコはベカベカとイケテナイ自己紹介を延々と続けている。
「what? Why?」
筆者は、シドロモドッた。
可愛く、そしてチャーミングにシドロモドッた。
「ククククク・・・」
リュークが笑った。
漫画の中のようにリュークは笑った。
























筆者は気づいた。
カーコが偽名で自己紹介していることを。
筆者はチビを見つめた。
(おい、コイツの名前なんていうんだ?)
とチビに目線で聞いた。
が、あきらめた。
チビは最終確認のためにチャックの胸毛を指差し確認で数えていた。























カーン!
店員がテーブルに近づき、カーコのイケテナイ自己紹介を強引に止めた。
お会計を求めて、カーコのイケテナイ自己紹介を止めた。















チビVSオレ様の判定・・・?





しらねーよ。
















オチが見つからない筆者を尻目に
一時閉幕。。。