エロビ

久しぶりのマーケティング系。
どうせ取り巻きどもの誰かが他人の振りをして、普段は神と崇めている筆者に対してヒドイことを書き込んだ結果、やる気が出なかったマーケティング系。
そんなマーケティング系の復活だ。
腕が鳴る。
筆を強く握る。
ついでに下腹部も強く握る。
会社なのに声が出そうになる。
そんな感じなので、マーケティング系の復帰作は「エロビ」としてみた。
エアロビではない。
エロビだ。
エロ・ビデオだ。
男性諸君が持っている浅はかな考えを明るみに出してしまい、申し訳ない。
女性諸君にとっては、本日のカキ物の要素を応用すれば、見合い写真などで成功すること間違いなしだ。
それではマーケティング系エロビ、いざ開幕。。。



まず、根底から断っておくが、筆者にはエロビを借りる習性がない。筆者はカリスマなのでそのような行為は必要がない。あくまで、これはレンタルビデオ屋の客層観察を妄想した仮想話である。なので、アホな書き込みなどがあっても合えなくスルーする。へこみもしない。きっとしない。多分しない。。。



世界を股にかけるカリスマ・マーケターこと筆者は、常々マーケティングを行う際、消費者に満足を提供することを目的にしている。これを本題のエロビに当てはめると以下のようになる。


結論から言うと、エロビをマーケティングするに当たり、長期的に重要視すべきは、コーポレートブランディングだ。そしてそれを実現するために、短期的に重要視しなければならないマーケティングエレメントは、店頭(パッケージ&タイトル)の充実性、ジャンルの明確化、中身が「名は体を示している」ことなのだ。


エロビのマーケティングに当たり、まずはビジネス目標と現状分析を設定しよう。

仮定として、わが社は、新規参入なのか、既に参入し特定ジャンルに強みを持っているかで話は大きく変わってくる。

仮に我が社は、美人の女優だが名が売れていなく、未出演(雑誌ではあるがビデオではない)レベルの女優に強いネットワーク、あらゆるジャンルでソコソコのレベルの作品が作れるクリエーティブチームを持つ新規参入会社、資金は無限だが、3年スパンで黒字と想定しよう。


黒字の計算は厄介なので、ある程度コンスタントに当たれば黒字とボカソウ。アホな下僕どもが戯言を書き込まないためにもそうしておこう。




ビジネス目標が決まった。ある程度コンスタントに当たればよい。





では、マーケターとしての本領を発揮しよう。
消費者起点のマーケターとしては、消費者からモノゴトを考えなければ気がすまないので、消費者を週のレンタル数を軸にセグメントに分ける。そしてどのセグメントのどのニーズに対応する作品を作るか、そしてどうそれをコミュニケートするか、を考察していく。




セグメント1.ヘビーブルジョワ(週5本以上)
彼は強者だ。パジャマで来る。髪はボサボサ、フケだらけ。メガネをかけているに違いない。基本的に彼はレンタルビデオ屋を「MY・エロビ保管所」くらいにしか思っていない。だからそんな格好でくるのだ。普段着だ。部屋着だ。自然体だ。フランクな性格に違いない。ついでにあそこもフランクに違いない。
彼にとってビデオ屋に支払うレンタル料はあくまで「保管料」でしかない。店員は倉庫番だ。彼は、自分の保管場所に週に1回しか行かない。そのため、1週間使用する量を借りる。ビデオ屋からは、「大佐」、「将軍」、「神」などといった称号で崇められているに違いない。もちろん、彼は返しに来たついでに借りて行く。彼はそのルーティーンを変えることはナイ。おそらく、毎週x曜日に来る習性を持っているであろう。よって「x曜日の男」といったコードネームで店員から慕われているかも知れない。彼はお気に入りのジャンルをもっている。必ずそのジャンルのモノを持ち帰る(彼にとっては「借りる」ではない)。新作であれば尚のことだ。彼の情報収集源は、その手のジャンルの雑誌やインターネットだ。多分、その手の雑誌は、毎週決まった日に発売されているに違いない。そこでそのジャンルの新作ビデオの情報を収集する。そして新作であるにも関わらず、1週間借りるのだ。延滞金などは目にもくれない。髪がボサボサだからではない。延滞金などはカスだ。別にフケだらけだからではない。彼はバブリーだ。ブルジョワだ。そんなセレブな彼はそのジャンルの新作を抑えた後、そのジャンルの名作(過去に何度も見ている)を1本押さえる。その後、他のジャンルを吟味する(ここで店頭での出会いがある)。バブリーでブルジョワでセレブな彼だからこそ、彼の時間は限られている。よって、5本マイナス好みジャンルの新作マイナス好みジャンルの名作=今週借りるその他ジャンルのエロビの本数、となっている。特にその他のジャンルには期待を抱いていないので、大失敗のない作品を借りるであろう。大失敗のない女優・企業のものを借りる習性を持つ。



セグメント2.健忘症(週2−4本)
彼は物忘れが激しい。特に好みのジャンルはない、が「これって俺の好みのジャンルかも・・・」と思いつつあるジャンルを持ち始めている。が、無差別に借りる。おそらく、週に2-4本を借りる。返し忘れて延滞金を支払うこともしょっちゅうだ。この延滞金がむかつく、とか言いながら、その足で2-4本借りていく。が、物忘れが激しいため、今さっき返したばかりのエロビを店員が棚に戻したところを「人気作品が返ってきた!今がチャンス!」と勘違いし、その場で借りることも稀にある。ちょっとお茶目な面を持つ。女優名を覚えていることはない。店頭の棚でパッケージで決める。そのために、以前借りたものを再度借りることはよくある話し。「あれ?これ見たかも・・・」と思いつつも、使用する。そしてむかつきを覚える。彼が最もおそれること、それは「パッケージと中身の違いによるガッカリ」である。健忘症の彼だが、そのガッカリは何度もこれまで経験してきたため、それだけは避けたいと思っている。そのため、安定した作品の見分け方があれば良いのにな・・・、と心のどこかで思っている。しかし、健忘症のため、毎回そのための改善策を思いつくのだが、毎回忘れる傾向がある。服装にコダワリはないため、ジーパン/チノパンにシャツ&帽子といった普通の格好で来店する。レンタル店から「少佐」、「課長」など、どうでも良いランキングをされる。また、同じ作品を借りることもシバシバあるため、「ニワトリ」などの愛称で愛されている。



セグメント3.フリクエント・パンピ(週1本)
彼は独身のリーマンだ。多分、イケテナイ彼女を持つ。彼はナイ物ねだりだ。イケテナイ彼女に対する不満点の真逆をエロビに求める。そのため、目がクリッとした女優、巨乳女優、美人女優などのものを借りる。イケテナイ彼女の相手をしなければいけないため、結構忙しく、週に1−2回の使用を目的にエロビを借りる。そのため、キワモノジャンルや1泊2日の新作には手は出さない。あくまで普通ジャンルの1週間ものが基本。週に1度来店するかしないかのレベルだ。週に1度以上来店したときは失敗し、レンタル直後に使用することを決めている瞬間である。彼の作品意思決定は、普通ジャンルであることを明確にしたタイトルの中からパッケージで女優の質を見極め、1週間レンタル可能であることを確認してから決める。大体、1週間物の普通の名作(タイタニックとか)を同時並行で2本借りる。そして名作と名作の間にエロビを入れる。名作サンドイッチは照れ隠しの現れだ。服装はスーツだ。エロビコーナーに入る瞬間と出てくる瞬間はビクビクしている。会社の人間に見られるのを恐れているようだ。店員からは「歩兵」、「農民」、「平社員」、「ビビリ」、「サンドイッチx号(1店舗に10数名いるため)」などと呼ばれているに違いない。


セグメント4−1.フリーク(ジャンル発売日)
セグメント1と似ているが、彼はとにかく特定のジャンルしか見ないので、他のジャンルには全く手を出さない。来店も特定ジャンルの新作が発表された当日だ。1泊2日の新作であろうと、ココゾというばかりに延滞していく。気が済むまで、画面に穴があくまで見る。脳裏に焼き付ける。彼は同ジャンルの雑誌やインターネットで情報を収集している。セグメント1の進化系として誕生したため、昔からの常連さんだ。店員からは「(ジャンル名)」と親しまれるか、「(ジャンル名)閣下/陛下」など、敬意を表されているに違いない。



セグメント4−2&4−3.追っかけ(特定女優新作発売日/系統女優新作発売日)
彼らはとにかく特定の女優しか見ない。彼らは特定の女優の発売日を知っている。その女優を1人に絞っている場合と複数持っている場合がある。1人に絞った人は「(女優名)」で呼ばれている。複数持っている人は、「(その女優達の特長)」と呼ばれている。



以上、セグメントを4タイプ6種に分けてみた。

さて、マーケティングを行うべき優先的セグメントはどこであろうか?わが社の作品はどのようなものであるべき?


次に決めるべきは、戦場地区だ。ニッチで行くか、メジャーで行くか。
ニッチへのノウハウを持っていないクリエーティブ・チーム。
メジャーに行くほどの質でもない女優。彼女たちにはスター性がない。




そこで、我が社が取るべき道は唯一つ。
チーム吉村。3割20本のチーム。日本が誇る世界の巨人軍の優れた安定打者。安心して5番を任せられる男。




ヘビーブルジョワが借りるであろうジャンル外の1本になる、安定性。
健忘症が店頭で意思決定をする際、選んでくれるような一般性。
フリクエント・パンピが選んでくれる普遍性。
そんなものをじっくり狙おう。
なんせ資金は潤沢にあるんだから。
差別化しないことで差別化を図る。
そんな戦略があっても良いじゃないか。


短期的に彼らが我が社の作品を選んでくれるポイントはどこか。
「店頭におけるプレゼンス」「ジャンルの明確化(特異ジャンルでないことを明確化)」
それしかない。


ソコソコの女優を可愛く撮ろう。
パッケージの文字は「普通のジャンルです。そんじょそこらのエロビと一緒です。王道です」ということをハッキリと示そう。


そしていざ手にとって貰い、自宅で使用していただく際、パッケージで騙された感がないように、中身を充実させよう。あくまでソコソコの女優がソコソコの演技を行う、普通でソンジョソコラで、王道のジャンルであることに恥じぬように。



そしてパッケージ、ビデオの始まる前には必ずコーポレートのロゴを入れよう。
場合によっては、大事なシーンでもコーポレートのロゴを入れてやろう。
それこそ、ボカシの部分がロゴでも良いかもしれない。
いや、むしろその方が良い。
そうすることで、「安定したクオリティの王道作品を提供する会社」であることを、健忘症セグメントですら覚えてしまう位に焼き付けよう。ムカつきを覚える視聴者がいるかもしれない。
そんなビデオがあっても良いじゃないか。
多分、2チャンか何かのネタになって、一気にブレークするかもしれないじゃないか。




こうすることで、ソコソコのヒットを飛ばし、長期的に黒字化を目指そう。
その後の企業の発展のため、特定のジャンルに足を伸ばすか、あるいはカリスマ的な女優の育成&囲いこみ戦略に手を伸ばそう。


まぁ、そうこうしている内に、ブタ箱に入れられるか、あるいはニューメディアの出現によって、企業戦略が大幅変更を余儀なくされるであろうから。



企業ロゴをボカシに入れる。
それだけのことが書きたかっただけの日記を尻目に
一時閉幕。。。