VS亀田パパ1

世界をまたにかけるカリスマ・バトラーこと筆者にバトルを挑んできた命知らずが現れた。本日のお話、嘘のような本当の話。脚色・演出一切ナシのリアルストーリー。虚構と現実を分け立つ緞帳の紐を引きながら、いざ開幕。。。


性暦2006年春。
会社帰りに訪れるエクゼクティブなゴルフ練習場で爽やかに汗をかいていたカリスマに、練習場支配人が声をかけた。
「筆者さん、最近(コースに)回ってます?」


それは天からのオファーであった。
ゴルフ仲間の俺様と学者が発作的に退社したことを機に、ゴルフコースに行かなくなってしまった筆者。
決して仲間がいないわけではない。
多分違う。
違うに違いない・・・。
違うとイナバウアー(ボソっ)



多分、あまりのゴルフレベルの高さに、周りのオッサンゴルファーどもから遠慮されるようになってしまったのであろう。
話を戻そう。


「最近(コースに)言ってないんですよ・・・」
「じゃぁ、x月x日に行きません?」
「ちょっと待ってください。秘書に確認しますから」


秘書の日比野愛に確認し、有給が余っていることが判明。
「イキます!」
筆者は我がクラブを握り締め、支配人にそう告げた。



勢いでイってしまってから、反省する筆者。
勢いでイクことは後悔が多い。
思い返せば、若かれしころ付き合っていた女性とのある行為でもそうだった。。。
と脱線しても仕方がないので話を戻そう。



そう、筆者のゴルフマナーは、えばれた物ではないが最悪なのだ。
ゴルフコースで「ファー(注:危ない玉を打ったときに隣のコースのプレイヤーに警告する言葉)」と叫ぶかわりに「ファッ○!!」と叫ぶことなど当たり前だ。
決して海外のゴルフコースでは回れない。


そして、練習場の方々と一緒にラウンドした日には
「あの人上手いんだぜ」
と噂され、注目の的になり、サイン攻めにあうこと間違いナシだ。




「支配人、あのぉ、先日イクって言った件なんですが・・・」
筆者は次の日に練習場の支配人に断りと詫びを告げようとした。
すると。



「筆者さん、運が良いですよ。2週間前に女子ゴルフの大会が行われたコースなので、設定は全て女子ゴルフ設定ですよ。打つところも大会設定ですしね。砂もグリーンも大会設定ですよ」



(大会設定・・・)
この言葉が筆者の胸を貫いた。
横峰さくらや不動女王などが回ったコースで同じ設定。
彼女たちよりもよいスコアで回れれば、筆者は来年の女子ゴルフ大会で優勝できる。
しかも追い打ちをかけるように、支配人は告げた。
「筆者さん、ドライバー(注:一番飛ぶクラブ)を使用するコースでは、コース上に誰がどこに飛ばしたか、という記録が残ってるんですよ」と。



筆者は非力ゴルファーだ。
取り巻きどもが唯一筆者に勝てるもの。
それは、ドライバーの飛距離だ。
が、しかし。



筆者は昨シーズンのオフ期間にスイング改造に努め、今では飛距離が伸びている。
飛ばし屋こと横峰さくらをオーバードライブできるチャンスだ。
筆者の参加は確定してしまった。



「では当日の待ち合わせは?」
気がつくと、筆者は支配人の3サイズと共に、待ち合わせの時間を聞き出していた・・・。



当日。
早朝に戦士たちは集まった。
メンバーを紹介しよう。


参加者1:筆者(30)。説明略。
参加者2:ゴルフ練習場支配人(40)。良い人。
参加者3:偽ゴーン(50代)。世界を股にかけるNISSA○の前CEOことカルロス・ゴー○にそっくりのオッサン。良い人。


3人の参加者は4人目の到来を自己紹介しながら待つ。
今回は、遅刻気味の4人目の車に乗り込み、1台で参加だ。
プルルルル♪
突然支配人の電話がなった。
「あ、はいっ。2分後ですね。わかりました。お待ちしておりますぅ」
普段から丁寧な支配人が心なしか更に丁寧に電話で応対している。
まぁ、本日のホストは支配人だ。
丁寧に越した事はナイ。



突然、近くに爆音で音楽を鳴らすアホな車がやってきた。
(おいおい、早朝だぞ。近所迷惑だろ、ゾッキーめ)
と筆者が毒づこうとした瞬間。



キキキキキっ♪
と4輪ドリフトの音がして、爆音カーが現れ、練習場の駐車場に車を止めた。
「おはよーございまーす」
と車に近づく支配人。
そう、参加者4は爆音と共に現れた。




ガチャ♪。
爆音カーのドアが開き、明らかに八百九十三な方が降りてこられた。
「あぁ、おはよーさん」
遅刻したことも詫びず、ジャージー姿でエブリデーカジュアルな御方が現れた。



参加者4:亀田パパ(40代)。言わずと知れた難波の亀田3兄弟のパパのような御方(激似)。




「あ、始めまして。筆者です。本日は4649お願いします!!」
八百九十三(893)な御方に向かって、震える声を抑え、筆者は挨拶した。
「おぉ。君が筆者君か。噂は聞いてるよ(どんな噂っすか!?)。ほな、車に(ゴルフバッグを)入れてや」
「はいっ!!」
パーティの中の最も若手こと筆者に力仕事が任命された。
(年上を神と崇める)
を人生のポリシーとしている筆者は、まず自分のゴルフ道具から入れ始めた。




「ガンっ♪」
893ルックな亀田パパにションベンちびりそうな筆者は、車のトランクに我がゴルフバックをぶつけてしまった・・・。
(エンコや・・・)
筆者は我がピンキー(日本語訳:小指)に心の中で別れを告げた。



「す、スミマセン!!」
「あぁ、エエねん、エエねん。何や、非力やなぁ。よし、ワシがやっちゃる!」
亀田パパがヒョイとゴルフバックを持ち上げ、トランクの中に投げ込んでいく。
(グシャっ♪)
我が愛すべきナイキのゴルフクラブが曲がった音がする。
ヒョイっ。ヒョイっ。
と次々に投げ込まれるゴルフバック。そしてその一番下に位置する筆者のゴルフクラブ。。。
(あぁ、エエねん、エエねん)
筆者は亀田パパの一言を呟かずにはいられなかった。




「ほな、いこか」
荷物を積み終わった亀田パパが運転手に乗り込む。
(一番若手は助手席・・・)
年功序列座右の銘とする筆者は、我先にと助手席に乗り込んだ。
そう、恐怖の助手席に。。。



道中にて。
ギュイーン、キキキッ、キュルキュルキュルっ!!
S字ヘアピンカーブをこれでもかというスピードで突っ込み、軽快にアウトインアウトのラインで抜けていく爆走車。
もちろん、助手席に筆者を乗せた亀田パパカーである。
住宅地を時速120kmで走行中だ。
助手席には、青ざめた顔の筆者。
後部席にはカツラが吹っ飛びそうな偽ゴーンと爆走を楽しむ支配人。



「ババァ、どけっ!」
早朝、幼稚園に幼き子供を連れて行くお母さんに向かって亀田パパは言葉を吐く。
前にはトロトロと走っている車が現れた(と言っても住宅地を120kmで走る亀田カーが速すぎるため他の車がトロトロ走りに見えているだけ)。
「筆者君、窓開けろや」
「へっ?は、はい」
ウィーン♪
と助手席の窓が開く。
「開けましたけど・・・」
「おっしゃ!・・・何か言うたれ」
「へっ!?」
「ほれ、今からあのトロイ車追い抜いたるからスパイスな一言を叫んだれや」
「え・・・」
「ほら、追い抜くぞ」
グーーーーン。
アクセルを踏み込む亀田パパ。
何も罪がない車を追い抜いた。
「ほれ、言ったれ!!」
「え・・・。あ・・・。」
筆者がどもっている間に亀田カーは、あっという間にトロトロ走っていた車を追い抜いた。



「何や、何で何も言わんのじゃ?」
「え・・・。いや、スパイスが効いたギャグが浮かばなかったんです。スミマセン・・・」
車中を包み込む寒い空気。
筆者は思わず
「グッバイ、マイ・ピンキー(略説明)」
と別れを告げた。



「ぐわはははは」
亀田パパが豪快に笑い始めた。
何かしらの壺にはまったようだ。
「筆者君はおもろいのぅ」
亀田パパの笑いは続く。
偽ゴーンと支配人も釣られて笑っている。
筆者も引きつりながら笑っている。
ってか偽ゴーンと支配人も亀田パパの暴走を止められずにいる。



辛く長い1時間のドライビン後、筆者たちはゴルフ場に降り立った。
通常であれば、着替え→柔軟体操→ショット練習→パター練習→1番ホールへ
といった流れである。
もちろん、筆者は本日もアリエナイスコアを出すためにゴルフ場に来ているのだ。
しかも大会設定のコースだ。
通常のグリーンやバンカーではない。
徹底的な練習をしなければいけない。
さっさと着替え、練習に行こうとした矢先、亀田パパに捕まった。



「お、着替え終わったんか?(亀田パパはもちろん、ジャージー姿でゴルフするようだ)ほな、コーヒーシバキにでもイコカ」
Huh?
通常であれば、筆者の怒りの逆鱗に触れるであろう一言。



が、しかし。
893な御方の亀田パパに切れるわけにはもちろんいかない。
仮に切れたとしても、やられるのはコッチである。
多少のダメージを負いながらも亀田パパをKOした日には、
難波の狂犬
難波の弁慶
難波のラーメンマンチックヘアースタイルな3男坊
から闇討ちを喰らってしまう。



よって筆者は切れない。
むしろ、切れそうな自分の怒りを手のひらに包み込む。
さながらその姿は「もみ手」である。
決してオベンチャラなもみ手ではない。
あくまで怒りを押さえ込むもみ手である。



言い訳しながらも、もみ手マンな筆者は亀田パパとコーヒーを飲みに(シバキに)行く。
「ねぇちゃん、ホットで」
「じゃぁ僕もそれでお願いします・・・」
ねぇちゃんとは呼べない奇獣にオーダーをした後、パパが口を開く。
「筆者君、今日はどんな握りをしよか?」
注:握る=男と男のプライドを賭けた戦い。ギャンブル行為ではない。
注:「今日は」と言われているが、亀田パパと回るのは初めてである。




893な御方との握り。
普段では考えられないプライド額が動くのであろう(注:金額ではない)
勝っても地獄。負けても地獄。
カリスマ・コミュニケーターのカリスマコミュニケーション能力が試されている。
ここは円滑にお断りをしなければならない。
相手にとって失礼にあたらないよう、そして筆者がチキンとして見られないような断り方が好ましい。



「そうですねぇ、いつもはどんな感じで握られているんですか?」
「あぁ?そうやなぁ・・・」
と亀田パパは口に出すのも恐ろしいルールとプライド額(注:金額ではない)を説明し始めた。
筆者は「興味がある」と思わせないでおきながらも質問をしていく。
そう、時間稼ぎである。
カリスマ・コミュニケーターのカリスマコミュニケーション能力を発揮するために。
丁度その頃。


コーヒードリップからホットコーヒーを入れていた「ねぇチャン」こと奇獣がコーヒーを入れ終えた。
まだ慣れていないからであろうか。
あるいは明らかに893な亀田パパへの恐怖であろうか。
震える膝に勇気を与えつつ、1歩、また1歩とパパ&筆者へと近づいていく。
丁度その頃。



「そうですねぇ」
亀田パパから目が飛び出るようなルールとプライド額(注:金額ではない)の説明を受け終えた筆者は、腕組みをし、足を組んだ。
その長い脚は「ねぇチャン」こと奇獣の膝元に行ってしまった。
「きゃっ!」
ねぇチャンこと奇獣には似合わない悲鳴が発生され、コーヒーはお盆から落ちた。
落ちた先には筆者の膝はなかった。
が、カリスマ的な反射神経で筆者はコーヒー目掛けて膝を出す。
「あっちぃ!!」
「何や、筆者君、大丈夫かっ!?」
「えぇ、大丈夫です」
「す、スミマセン!!」
「ごらぁぁぁ、ねぇちゃん、何しとるんじゃ!その汚いお前の(ピー)に俺の(ピー)をこねくり回して(ピー)して(ピー)して(ピー)してやろうか?こらぁぁぁ!」
「いえ、僕が足をかけてしまったんですよね?スミマセン、大丈夫でしたか?」
「(893な御方へは目線を向けず)え、えぇ。大丈夫です。お客様こそ大丈夫ですか?」
「何や、筆者君がコカシたんかい?(突如優しい声になり)・・・ねぇチャン、大丈夫かいな?」
「えぇ。今、すぐに代わりを入れてきます」
「急がんでええぞ。床拭いてからでええぞ」
「は、はい。お客様、スミマセンでした」
「いえいえ、こちらこそ。あ、僕、着替えてきます」
「着替え持ってきてるんか?」
「えぇ。一応予備を持ってきてるんで」
「お、そうか。」
「じゃぁ、練習場で!!」


カリスマコミュニケーターVS893な亀田パパの握りをするしないの勝負。
(多分)ひきわけ。。。



思ったよりもまとめるのに時間がかかるので次号に続けようと思いつつ

一時閉幕。。。