筆者オーナー②


世界を股にかけるカリスマ・オーナーこと筆者は期待に胸を膨らませていた。そう、それは全日本の監督に選ばれたからである。





ちなみに本日のお話し、PS2のソフト「サッカーチームを作ろう‘04」(略してサカつく)にまつわるお話しのため、その事情を知っているとかなり面白いが、知らない人でも何とか笑えるようにしたいが無理であった(と自己反省)。そのために予備知識のコーナーおよび呼び飛ばし可のコーナーを用意した。




ただし、現実のサッカーを知らないとかなり笑えないことをあらかじめお断りしておく。また、筆者は現実のサッカーはあまり詳しくないので、かなり知識に間違いがあるかもしれない。先に断っておく。






予備知識のコーナー(読み飛ばし可)
まず、このゲーム、エンドレスである。
要するに、サッカー好きのゲーマー達に理想のチームを作らせ、そのチームを強くさせるのである。
ゲームのルールは非常に簡単。経営を安定させ(赤字になるとゲームオーバー)、J1ないしJ2に残留すれば良い(J2から降格するとゲームオーバー)。ゲームオーバーしない限りはエンドレスに続く。




よって、ゲーマー達は個々に「ゲームの辞めどき」を設定する。




辞めどき例:
例えば、優勝カップコンプ(予測必要年数25年=200時間+)。
大会を優勝すると優勝カップが貰える。そのため、全大会の優勝カップを集めることを目標とするゲーマーもいる。全大会と言っても、J1もあれば、J2もある。アジアのショボイ大会もあれば全世界規模の大会もある。下手にチームを強くしすぎるとショボイ大会に出られなくなってしまうので、カップコンプリートを狙うゲーマーは自分のチームをわざと弱くしたりする。



例えば記念アルバムコンプ(予測必要年数100年=900時間)
超有名選手を獲得すると、記念アルバムというものにその選手が登録される。そこで、この記念アルバムをコンプリートすることを狙うゲーマーもいる。もちろん、この記念アルバムコンプリートは選手獲得という難関、つまり経営状態が真っ黒黒ベェでなければいけない。つまり、チームが強くて超有名な大会で優勝する勢いでなければ黒字にならない。また、有名選手が蘇生されていなければいけないという運も必要になってくる。




例えば私営大会コンプ(予測必要年数:各自による)
また、インターネットを使用し、世界中のゲーマーと我がチームを戦わせる機能もある。各々勝手に大会を運営しているそうだ。




さて、では筆者にとってのこのゲームのエンドポイント(=辞め時)はどこであろう?



簡単である。



筆者の辞め時:チームのビジョンを達成したとき!!(あるいは飽きたとき。あるいは妻と呼ばれる方から怒られたとき)





ここで振り返ろう。我がチームのビジョンと戦略を。(以下筆者オーナー1よりコピペ)


ビジョン:『神戸の子どもに夢を与えること』
マスコミ・サポーター用スローガン:『頑張ろうぜ!神戸』
チーム内スローガン:『いつでも成長・いつでも反省』
原則:
選択と集中の原理に基づく投資展開。
②神戸の子どもを起点とした活動。
戦略:キッズ神戸を日本のレアルマドリッド(あるいは読売巨○軍)となる。
時系列プラン:
① スタジアムの拡大による収入増まで徹底したコスト削減。
② 収入拡大の次には設備と地域、そして1人だけのスタープレーヤーへの投資集中。
③ 設備と地域が整ったら、プレーヤーへ投資。レアルマドリッド化を目指す。J1、世界戦など全ての試合にブッチギリの勝利(もしくは勝つまでリセットボタンの連射)。
戦術:
① 選手・監督・スタッフの完膚なきまでの高い満足度とその維持(満足度が高い奴ほどパフォーマンスが高いと想定)
② 地域へのボランティア活動の義務化。
③ その他サポーターへの献身的な活動。





ちなみにキッズ神戸の現状は下記(38年目)。以下現状報告。


チームのフォーメーションは3−5−2DVのサイドアタック.要するにこんなフォーメーション:
     FW  FW

SMF    OMF SMF

    DMF  DMF

 CDC   CDF  CDF

        GK
 

チームメンバーは以下の通り:
注:年齢の右のカッコの言葉はレベルを示している。神==>屈指==>完全==>十分==>充分の順番(それ以下もあるが、このチームにはそんな選手は存在しない)

FW(フォワード)
河本鬼(日本が誇る世界のストライカー釜本)20歳(十分)==>蘇生してきた
高原(飛行機乗りすぎで日本代表を蹴った男)34歳(神)
ルンゲ(ドイツが誇る世界のポストプレーヤー)35歳(神)
中山ゴン(転生してきたカリスマ)27歳(神)

OMF(オフェンシブミッドフィルダー
奥大介(天性の才能を持つJリーガー)37歳(神)
グラーフ(オランダが誇る神様)33歳(神)
中田ヒデ(日本のサッカーを変えた男ヒデ)29歳(神)

SMF(サイドミッドフィルダー
石川(Jリーグ屈指の右サイドのドリブラー)28歳(屈指)
デュキャナン(ゲームオリジナルキャラ)27歳(神)
サントスアレキサンドロ(顔が筆者に似ているブラジル系日本人)24才(世界レベル)

DMF(ディフェンシブミッドフィルダー
稲本(オレオレオレ様)28歳(神)
中田浩二トルシエ大好き)39歳(神)
名波(ジュビロのMF)34歳(神)
服部(ジュビロのMF)29歳(屈指)
小野伸二(蘇生してきた)23歳(世界レベル)

SDF(サイドディフェンダー
御厨(ゲームオリジナルキャラ。蘇生してきた)20歳(充分)
水原(ゲームオリジナルキャラ。留学中)24歳
法月(ゲームオリジナルキャラ)19歳(十分)

CDF(セントラルディフェンダー
萩原(ゲームオリジナルキャラ。引退待ち)40歳(屈指)
森崎(ゲームオリジナルキャラ)33歳(屈指)
長尾(ゲームオリジナルキャラ)34歳(屈指)
井畠(元横浜の井原)26歳(屈指)
バウアー(ドイツが生んだ皇帝)29歳(神)
(ユースに柱谷)

GK(ゴールキーパー
曽ヶ端(アゴが気になる全日本のGK)26歳(屈指)
飯田(ゲームオリジナルキャラ)19歳(充分)
合計25名(外人枠5枠)。

(以上読み飛ばし部分終了)











秘書の日比野愛がオーナー室のドアを開ける。
「オーナー、記者団が集まっています。そろそろ会見に向かいましょう」
「そうか・・・。」カリスマ・コミュニケーターでもあるオーナーは腰を上げ、部屋の窓から外を眺める。外は2月の余寒を感じさせる風景。春の訪れには1ヶ月余りを要する季節だ。窓の外では本日も「神戸の子供達に夢を与える」勇敢な戦士が汗水をたらし、「いつでも成長・いつでも反省」を実現している(約1名を除き)。オーナーはとあることから全日本代表の監督という責務をこなすことになり、本日はアジア選手権を制覇したことについて、会見を行うことになっている。








「ところで日比野君」
「ハイ?」
「君は、昨年の年末、私に聞いてくれたね?『服装を変えてもいいですか』と」
「え、ええ。似合わないでしょうか?」
「いや。その白いスーツ。似合っているよ。セクハラに捕らえて欲しくないんだが・・・」
「はい」
「とても綺麗だ」
(日比野は顔を赤らめる)
「だがね・・・」
「はい」
「私に向かって会釈するとき、どうして私の目を見るんだ?」
「す、すみません」
「いや、書類を置くとき、会釈してくれるのは構わない。特に君の会釈は完璧だ。会釈の角度は45度。会釈の中の会釈だからね。が、その際、私の目を見ないでいいからね。普通に書類を置いてくれればいい。(私の目線がばれずに済むからね)」
「はいっ。今後気をつけます!!」





「それと日比野君」
「はい」
「私にはチーム内スローガンを守っていない輩が1名いるように思えるのだが・・・」
「いつでも成長・いつでも反省ですか?私は守っているつもりなのですが・・・」
「君ではないよ。彼だよ、彼。萩原だよ。」
「萩原さんですか?長年キャプテンを続け、今では2軍で出場機会がなくなった40歳萩原さんですか??」
「ああ。現在40歳。毎週のように私を呼び出し、「自分の使い方に不満がある」だの「チームのメンバーとはやっていけない」だの私に相談して来るんだ。私の予想では今年を持って引退すると思っているのだが(引退しなかったときの暁にはアンニャロメ)。円満に引退してもらいたいものだ・・・。」
「そうかもしれませんね。寂しいです・・・。(オーナーが誕生日にプレゼントした腕時計を見て)オーナー。この話しはまた後ほど。今は記者会見ですから・・・」
「そうだったな。では行くか」






おもむろにバーバリーのスーツを羽織るオーナー。会見の部屋のドアを開ける。






記者団は一斉にフラッシュをたく。繰り返すと、本日はアジア選手権を突破した筆者オーナーがインターナショナルカップに向けての意気込みを話す会見である。





「皆さん。寒い中、集まってくれてありがとう。それではいつものように会見を行いたいと思うが、その前に本日の会見は「キッズ神戸」のオーナーとしてではなく、「全日本代表」の監督としての会見とさせていただきたい。よって、キッズ関連のコメントは控えさせていただく。いいよね?」
頷く記者団。






「それでは質疑応答の前に、私がアジア選手権に対しての感想と反省を述べさせてもらう。が、その前に・・・(日比野に目配せするオーナー。頷く日比野)」
「折角寒い中お集まり頂いたんだ。暖かい飲み物でもお渡しさせていただきたい」
(おもむろに席を立ち、一人一人に暖かい飲み物を配るオーナー。記者団と握手を交わしたり、挨拶を交わしたり。さすがイギリス帰りの紳士マナーを持っているだけはある。個別に質問する記者に「おいおい、会見は始まってないぞ」と余裕のコメントを出すあたりも紳士である。席に戻り)





「いやぁ、これをしないと会見を始めるぞ、という気にならないんだよ。すまんねぇ」
と言い、記者団から笑いを誘う筆者オーナー。まるでどこかの国の郵政民営化というどうでも良い(と世論調査でもされている)トピックについて会見を行う首相のような落ち着きっぷりだ。




顔つきが変わり、
「それでは始めさせていただく」
とのコメントを出す筆者オーナー。記者団の面持ちが変わり、場の空気が閉まる。遠くから会場を見つめている日比野が呟く。(さすが、カリスマ・・・)と。






「まず、この度の全日本の監督に私を選んでいただいた、サポーターの皆さんならびにサッカー協会の皆様に厚く御礼申し上げる。また、この間、神戸を離れ、チームや地元サポーターに迷惑をかけたこと、御詫び申し上げたい」
記者団はオーナーのコメントを書き始める。





「私は以前から全日本の監督のオファーを何度も頂いてきた。が、全て丁重にお断りさせていただいてきた」
「オーナー!それは何故でしょうか?」





記者団の1人が質問してくる。顔をみると、いつも立ち入りしている記者ではない。が、この顔には見覚えがある。38年前、我がサッカーチームを去ることになった元広報本部長だ。・・・どうやら蘇生してきたらしい。





「質疑応答は私のコメントの後、と申し上げたはずだが?」
うなだれる記者(元広報本部長)と彼女を「礼儀知らずめ」とさげすむキッズの番記者
「ところで君、初めて見る顔だね?(とうなだれる記者に優しく声をかけるオーナー)」
「はいっ!今年の1月からキッズ付きになりました大日スポーツの記者です!」
「そうか。今後ともよろしく。ところで私はここにいる皆様をパートナーと考えている。そしてリスペクトしている。パートナーとは、『同じ志と共通のルールを持った人間』という意味だ。分かるかね?」
「はい・・・?」
「つまり、だ。君は今ルールを破ってしまったんだ。が、君には罪はナイ。何せルールを知らなかったんだから。多分君は本日、社に戻り次第、先輩記者に引継ぎをしてもらうのであろう。だから次回以降はルールを知っている。つまり、本日のミスは君のせいではないが、次回からのミスは君の責任となる。ということは、パートナーとしての約束をそちらから破る、ということだ。つまり、「大日スポーツさんはキッズのパートナーではない」、ということを大日スポーツさんから言われた、ということになる。後ほど大日スポーツの社長にその意向があるかどうか、を確認しておくよ。いいね?」
「はい・・・」
うなだれ、小さくなる記者(元広報本部長)。折角蘇生してきたにも関わらず、大日スポーツのキッズ班からは外されることであろう。もしくは解雇かもしれない。・・・社会とは厳しいもんだ。






「いやぁ、醜いところを見せてしまい失礼した(醜いやり取りを始めさせたのはこの新人記者だが)。どこまでお話したのだっけ?(と日比野を見る)」
「代表監督のオファーを今まではお断りしていた、というところです」
遠くから日比野が告げる。
「そうであった。・・・今までお断りしてきた理由は単純だ。我がチームのビジョンである『神戸の子供達に夢を与える』を達成していないからだ」
どよめく会場。「何を言ってるんですか、オーナー。37年間連続でJ1制覇、20年間連続で世界一のクラブじゃないですか」などなどのコメントが会場を包む。








「が、今年になり」
会場が聞き入る。




「海外での人気が遂にピークとなった。神戸のサポーターに続き、海外のサポーター数も上限である100万人となった。つまり、我がドクトル神戸は、神戸だけのチームではなくなってきた、と言える」
徐々にボルテージが上がる会場。記者団がオーナーの次のコメントを待ち受ける。




「つまり、だ。キッズ神戸は神戸だけのクラブと限定した位置づけではいられなくなってしまったようだ。」
歓声が会場を包み込む。
「志半ばでビジョンを広げるのは忍びない。が、そこにニーズがある限り、私はニーズに応えたい!!」
記者団は、かつてないほどの興奮をしている。
「キッズ神戸の新しいビジョンおよびスローガンを発表したい。ビジョンは、『神戸および世界の子どもに夢を与えること』、スローガンは『頑張ろうぜ!キッズ』だっ!!!」
歓声と拍手、そしてフラッシュが焚かれる。微笑みながらオーナーは1人思っている。(キッズのコメントは控えるって言ったのに。盛り上がっちゃってるよ、記者さんよぉ。)と。






「さて皆さん」
オーナーの発言で会場は静まり返る。
「私もキッズの一員だ。12番目の戦士とまでは言わない。が、土台として、あるいはスタッフとしてこの38年間、ビジョンのために戦ってきた。そしてビジョンが世界まで広がった今、まず土台として、スタッフとして世界の子供達に夢を与えたいと思った。だから初めて了承したんだ。代表監督を!」
(なるほど・・・)という面持ちの記者団。これでオーナーの操作ミス*は全国に肯定的に受け止められるであろう。



注:操作ミス:画面を見ていないでボタンを連打していると、「代表監督を受けますか?」という質問に「ハイ」と答えてしまい、気付かずにセーブしてしまうことを指す。





「さて、今回のアジア選手権の感想を述べさせていただく」
記者団の面持ちが変わる。







「まず、率直にアジア選手権を優勝できて嬉しい。が、選手全員が全力でプレイできたとは言い切れないと思う。キッズからは高原、中山、稲本、中田浩二、森崎が選ばれたわけだが、彼らもモットモットできたと思う。また、他のチームから合流してきたものもまだまだいけたと思う。ポイントはチーム内のパスワークが不足であった。つまり、チーム内のコミュニケーション。これが欠けていた。世界の壁は厚い。この壁を越すためには、普段からコミュニケーションをとっている者が好ましいと思われる。よって、8月のインターナショナルカップでは、コミュニケーションを通じ、120%の実力を出せるよう、頑張って行きたいと思う。以上だ」






記者団が質問してくる。質疑応答はいつものコミュニケーション戦略を使う。そう、壊れたレコードのように終始同じメッセージを発することだ。





「8月のメンバーは?」
「それは現段階では言えない。アジアで頑張ってくれた選手には申し訳ないが、一度全て白紙にさせて頂き、コミュニケーションを通じ、120%の実力を出せる選手で集めて行きたい」




「それは普段同じチームで活躍する選手で固めるということでしょうか?」
「それも現段階では言えない。コミュニケーションを通じ、120%実力を出せる選手であれば、違うチームでもOKだ。」




「全ての選手が一つのチームから輩出される、という可能性もあるんですか?」
「世界の壁は厚い。この壁を越すためには、コミュニケーションを通じ、120%実力を出せる選手で固めていく。どこのチーム出身ということは関係ない」







「キッズ神戸の選手で固める、というのはいかがでしょう?」
記者団が笑う。が、オーナーは笑っていない。遠くから日比野が気付く。(ま、まさかオーナー・・・)といった面持ちで。




「先ほども申したが、本日はキッズのコメントは控えさせていただく(会見前半はキッズの発表だったけど。)
世界の壁は厚い。この壁を越すためには、コミュニケーションを通じ、120%実力を出せる選手で固めていく。出身チームで構成は判断しない。あくまで結果論だ。代表チームはコミュニケーションを通じ、120%の実力を出せる選手で固めていく。今話せるのはそれだけだ・・・」







日比野が突然記者団に声をかける。






「それでは会見終了のお時間となりましたので・・・」
異例の会見終了の合図。が、日比野の強い眼差しでオーナーは機転を利かす。
「お、そうか。すまんな。(記者団に向かって)それでは諸君!記事を楽しみにしてるよっ!(大日スポーツ記者に向かって)特に君の記事をね!!」
会見場を出るオーナーと日比野。







オーナー室に入った瞬間、日比野が聞く
「オーナー、ま、まさか、代表チームをドクトルで埋め尽くすつもりなんじゃ・・・?」
ニヤリと笑うオーナー。
「日比野君。感が鋭いね。そして先ほどの記者会見の止め方も素晴らしかった」
顔を赤らめる日比野。
「日比野君の指摘通りだよ。本日の記者会見の隠れた目的は正にその道への世論作りさ。各国のチームは各国のオールスターで埋め尽くされることだろう。デュキャナンやバウアー、グラーフとルンゲも全員神レベル。各国のチームに招集されるに違いない。私は留学中の水原を除いた残りのキッズの19名を全員代表チームに選ぶつもりだ。キッズのメンバーが世界戦で戦う。正にビジョンを達成するためには最高じゃないか。更に私はどんな手を使っても優勝するつもりだ(含むリセット連射)。必ず勝つ。そしてキッズを全世界で真のNo.1へと導くつもりだ・・・。」
「お、オーナー。一生ついていきます!!」
「ありがとう。」








「で、でもオーナー。現在ウチのチームは日本人21名、外国人4名です。留学中の水原さんを除いても20名ですが・・・?」
「ああ、そうだったな。もちろん、アイツは日本に置いていくつもりさ。マスコミは彼をどう思うかな・・・。」
「お、オーナー。まさか・・・。それは・・・。」
「あぁ」







窓の外に目を向けるオーナー。外は相変わらず「神戸の子供達に夢を与える」勇敢な戦士が汗水をたらし、「いつでも成長・いつでも反省」を実現している。彼らは今夜にでも「神戸ならびに世界の子供達に夢を与える」勇敢な戦士となったことを知るのであろう。そう、約1名を除いて・・・。






カメラは窓の外からオーナーと日比野を映す。そしてマラソン中の選手達の背番号を映していく。マラソンの最後列、テレテレ気合の抜けた走りをかます、背番号2、HAGIWARAの背中を映し・・・。











一時閉幕。。。